タイトル死の壁
サブタイトル
著者養老 孟司
出版社新潮社
ISBN9784106100611
出版年2004/04/17
サイズ新書
価格836 円
概要ガンやSARSで騒ぐことはない。そもそも人間の死亡率は100%なのだから――。誰もが必ず通る道でありながら、目をそむけてしまう「死」の問題。死の恐怖といかに向きあうべきか。なぜ人を殺してはいけないのか。生と死の境目はどこにあるのか。イラク戦争と学園紛争の関連性とは。死にまつわるさまざまなテーマを通じて現代人が生きていくうえでの知恵を考える。『バカの壁』に続く養老孟司の新潮新書第二弾。
目次序 章 『バカの壁』の向こう側
どうすればいいんでしょうか
わからないから面白い
人生の最終解答
人が死なない団地
第一章 なぜ人を殺してはいけないのか
中国の有人宇宙船は快挙か
殺すのは簡単
あともどりできない
ブータンのお爺さん
二度と作れないもの
人間中心主義の危うさ
第二章 不死の病
不死身の人
魂の消滅
「俺は俺」の矛盾
「本当の自分」は無敵の論理
死ねない
死とウンコ
身体が消えた
裸の都市ギリシャ
死が身近だった中世
死の文化
葬式の人間模様
実感がない
宅間守の怖さ
派出所の不遜
ゲームの中の死体
第三章 生死の境目
生とは何か
診断書は無関係
境界はあいまい
生の定義
クエン酸回路
システムの連鎖
去年の「私」は別人
絶対死んでいる人
生きている骨
判定基準
誰が患者を殺したか
規定は不可能
第四章 死体の人称
死体とは何か
一人称の死体
二人称の死体
三人称の死体
モノではない
解剖が出来なくなった頃
第五章 死体は仲間はずれ
清めの塩の意味
なぜ戒名は必要か
人非人とは何者か
江戸の差別問題
この世はメンバーズクラブ
脱会の方法
「間引き」は入会審査
ベトちゃん、ドクちゃんが日本にいない理由
第六章 脳死と村八分
脳死という脱会
村八分は全員一致で
イラン人の火葬
靖国問題の根本
死刑という村八分
臓器移植法の不思議
「人は人」である
大学も村
ケネディは裏口入学か
第七章 テロ・戦争・大学紛争
戦争と原理主義
正義の押し付けがましさ
戦争で人減らし
学生運動は就職活動
反権力と反体制
敗軍の将の弁
軍国主義者は戦争を知らない
イラクの知人
国益とは何か
ものつくりという戦争
第八章 安楽死とエリート
安楽死は苦しい
エリートは加害者
産婆の背負う重荷
つきまとう重荷
エリートの消滅
銀の心臓ケース
解剖は誰がやったのか
天の道、人の道
ルールの明文化
人命尊重の範囲
役所の書類が多い理由
自分への恐怖
解剖教室の花
終 章 死と人事異動
死の恐怖は存在しない
考えても無駄
老醜とは何か
悩むのは当たり前
慌てるな
父の死
挨拶が苦手な理由
死の効用
ただのオリンピック
生き残った者の課題
日々回復不能