タイトル | 臨床倫理の考え方と実践 |
---|---|
サブタイトル | 医療・ケアチームのための事例検討法 |
著者 | 清水 哲郎/会田 薫子/田代 志門 |
出版社 | 東京大学出版会 |
ISBN | 9784130624237 |
出版年 | 2022/02/12 |
サイズ | B5判(18.3×1.4×25.7 cm) |
価格 | 2970 円 |
概要 | 臨床現場の様々な倫理問題に直面して、医療・ケアチームはどのように対応すべきか。医療・ケア従事者と研究者が共同で30年かけて開発した、臨床倫理事例検討法の決定版。患者にとっての最善を探り、合意を目指す。意思決定支援を志すチーム・カンファレンスに最適。 ひとりひとりの患者や利用者に寄り添い、その意思を尊重し最善の医療・ケアをおこなうため、多職種からなる医療・ケアチームの丁寧なチーム・カンファレンスが重要となる。臨床倫理の基礎および事例を検討するメソッドや注意すべき点をわかりやすく解説し、豊富な実践ケースを収録。東京大学・東北大学ほかの研究者による臨床倫理プロジェクトが各地の医療・ケア従事者の共同で長年取り組んできた成果をまとめた、臨床現場の倫理問題に向き合う専門職のための決定版テキスト。 (「はじめに」より) 本書は書名が示す通り「臨床倫理の考え方と実践」をテーマにしています。臨床倫理とは、その名の通り、医療・ケア従事者が患者本人やその家族等と一緒に医療・ケアを進めていく臨床のプロセスで起きる様々な問題に対応しつつ、「どのようにすべきか/どうしたらよいだろうか」と考える営みに他なりません。様々な問題のほとんどは医療・ケアに関して何かを選ぶという意思決定プロセスに関わっており、また、そのプロセスで自分たち医療・ケア従事者は本人・家族にどのように対応していくかという選択に関わるものです。 臨床現場では、「どのような治療方針にするか」、「退院後どこで療養ないし生活を続けていくか」といったことをはじめとして、「遠くに住んでいる患者の長男が、現在の治療に否定的なようだ」というようなことまで、対応を考えるべき課題が次々と起きるでしょう。それに対して、その患者を担当する医療・ケア従事者たちは、本人・家族とどのようにコミュニケーションを進め、何を目指すかについて、チームとして方針を決め、個々のメンバーはその方針に沿って自らの分担を果たすでしょう。このように、本人・家族との合意を目指しつつ、医療・ケアチームとして個々のケース(事例)ごとに検討することが、臨床倫理の営みとなります。本書のサブタイトルが「医療・ケアチームのための事例検討法」であることも、以上のことからお分かりいただけるでしょう。本書は、真に倫理的な対応のために、こうした検討のベースとなる理に適っていてかつ分かり易い考え方と実際に有効な検討の進め方を提供することを目指して作ったものです。 |
目次 | I 概説編 -1 臨床倫理の基礎(会田薫子) -2 臨床倫理事例検討の進め方(清水哲郎) II 実践編 -0 モデル事例を使った検討の実際例(清水哲郎) -1 医師が推奨できない治療を患者・家族が望むとき(進藤喜予・清水千佳子・吉田良) -2 患者・家族が生存期間の延長を望まないとき・拒否するとき(安部樹・石橋由孝・山﨑宏人・笹月桃子) -3 意向/価値観等が対立するとき(畠山元・高屋敷麻理子・小藤幹恵) -4 家族への対応に苦慮するとき(会田薫子・荒木尚) -5 介護問題が意思決定を困難にするとき(二井谷友公・岩城隆二) -6 本人が言語化した意思が真意とは異なると思われるとき(丸木雄一) -7 患者が意思決定能力をもたないとき(西川満則) -8 家族がいないとき(石井健) III アドバンスト編 -1 本人の意思を尊重するということ(日笠晴香) -2 臨床におけるケアの倫理(早川正祐) -3 臨床の倫理原則における《尊厳》の位置(清水哲郎) -4 厚生労働省「人生の最終段階ガイドライン」と《情報共有―合意モデル》(清水哲郎) -5 高齢者のためのACP(会田薫子) -6 患者の意向を尊重したACPの進め方(江口惠子) -7 MCDの知見を用いる事例検討法(田代志門) -8 病院組織における倫理サポート体制(田代志門) -9 臨床倫理の検討を深めるためのファシリテーション(田村里子) -10 臨床倫理の文化を現場に定着させるために(霜田求) 対談:臨床倫理の過去・現在・未来(石垣靖子×清水哲郎) |