タイトル逝かない身体
サブタイトルALS的日常を生きる
著者川口有美子
出版社医学書院
ISBN9784260010030
出版年2009/12/11
サイズ全集・双書
価格2200 円
概要究極の身体ケア
言葉と動きを封じられたALS患者の意思は、身体から探るしかない。ロックトインシンドロームを経て亡くなった著者の母を支えたのは、「同情より人工呼吸器」「傾聴より身体の微調整」という即物的な身体ケアだった。
かつてない微細なレンズでケアの世界を写し取った著者は、重力に抗して生き続けた母の「植物的な生」を身体ごと肯定する。
*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
目次第一章 静まりゆく人
 国際電話
 悲しみのはじまり
 こちら側にひきとめるもの
 コーデリア
 リンダの予言
 挿管
 対決と決別
 疲労
 期待しない自由
 医療に関する約束
 外へ
 テレパーシーの訓練
 スペチュアリティとリアリティ
 父と妹
 素通りしてきた人々
 決められない人のそばに佇んで
 遺書
第二章 湿った身体の記録
 1 宝くじより希少
 2 身体とスイッチの接触不良
 3 湿った絮のような身体の移動
 4 トイレ以上のトイレ
 5 萎えた身体で慣れないトイレ
 6 海底の聴覚
 7 鉛の瞼
 8 重力に逆らえない顎関節
 9 1リットルの唾液
 10 身体と世界を循環する水
 11 穴にチューブ
 12 管による自然食
 13 罠と宴
 14 微候としての皮膚
 15 眼で語られた最後の言葉
 16 病人の温もり
 17 発汗コミュニケーション
第三章 発信から受信へ
 1 真夜中のデニーズ
 2 解放
 3 ゴットマザー
 4 つくられる意味
 5 ブレイン・マシーンの前に
 6 生きる権利
 7 WWWのALS村で
終章 自然な死
 2007年8月27日/母危篤/父の入院/母の生き霊?/足裏マッサージ/ピーチャンとP波/本当のお別れ/母のいない朝に/同じ天井/夕焼け雲の葬列
あとがき