会員の質問も書籍に反映
会員の方から手紙で寄せられた質問が、秋に 発売予定の『がんになった緩和ケア医、いのちの 質問に答える』(仮タイトル、発行・双葉社)に取 り上げられることになりました。
著者は、昨年10月開催のリビングウイル研究 会東海北陸地方会で「患者の気持ちに寄り添う ケアとは」と題して講演していただいた大橋洋平 さん(海南病院緩和ケア医)で、「緩和ケア医が、がんになって」(双葉社、2019年8月発売)に続く 2冊目の本。緩和ケアにまつわる患者や家族の質 問に答える形で問題点を整理、考えていくという 内容です。支部理事の一人が編集に携わってい ることもあり、質問者のケースも取り上げられる ことになりました。
質問の内容は、腎機能障害の末期における人工透析に関して。大橋先生のお答えのポイントは「▽人工透析を受けたくないという意思が十分にあるという情報を得て、家族との相談のうえで決めたことであれば尊重したい▽ホスピスで重度の腎不全患者を受け入れるところはない▽苦痛を緩和する方法はホスピスでなくてもいろいろ対応が可能▽主治医に時間をとってもらい、家族も立ち会って話し合っては」というものでした。
支部では「日本透析学会でも透析開始に関する意思決定のプロセスについて提言をまとめ、意思尊重の流れになっている。在宅で対応できる可能性もある。ほかの透析患者の体験を聞いてみては」等と申し添えて、返事をしました。大橋さんの書籍への掲載については、質問者から了解を得ています。
支部長 野嶋庸平