おおいた事務局からご挨拶

おおいた会長 川野 克則

2020年6月から九州支部おおいた会長に就任いたしました川野克則と申します。麻生宰前会長から引き継ぎ、大分を担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。

私が尊厳死協会の活動に興味を持ったのは、麻生前会長からお声がけいただいたことがきっかけです。もともとは外科が専門ですが、がん患者さんの緩和ケアに携わるようになってから、自分の中でちょうど終末期医療の大切さを痛感していた時期にお誘いいただいたため、お手伝いさせていただくことになりました。

近年、ACP(アドバンス・ケア・プランニング、人生会議)が推奨されていますが、家族や治療に携わるいろんな職種の人が集まって相談する時に、患者さん本人の希望が出発点であるのは間違いありません。自分に残された時間をどう過ごしたいか、どんな治療を受けたいのか、どんな措置を受けたくないのか…終末期の医療やケアについての本人の意思表明、すなわち「リビングウイル」が最も尊重されるべきであることは自明で、私が改めて述べるまでもありません。

折しも新型コロナウイルスの感染で、不幸にして亡くなられる方がたくさんいます。感染が拡がらないようにと、家族にも面会できず、突然亡くなられる訳ですが、そんな終焉を期待している人は誰もいないでしょう。また、ほとんどの医療機関で面会制限をしたため、ウイルス感染以外で亡くなられた患者さんの中にも、家族といっしょに十分な時間を過ごすことができず、寂しい思いでこの世を去った方が多くいらっしゃったのではないかと想像しています。

このような状況で尊厳死について議論するのは、一見、タイミングが悪く、また大切な人を失ったご家族には酷な話のように受け取られるかも知れません。しかし逆に、心の準備もなく命を奪われる危険性がある今だからこそ、自分の残りの人生について考え、家族と相談しておくことが大切ではないかと感じる次第です。

「尊厳ある死」について考え語り合うことは、限りある命を尊びながら生きること、言わば「尊厳ある生」に他ならない。このことを伝えられるような活動ができたらと考えています。

九州支部・おおいた 役員
会長(支部理事)
川野 克則医療法人善昭会 オアシス第二病院
副会長有永 信哉医療法人慈仁会 酒井病院
理事得丸 尊子
理事安藤 美穂子医療法人信和会 介護老人保険施設 和光園
理事荒金 郁代大分大学医学部附属病院 看護部
顧問麻生 宰医療法人博愛会 別府中央病院