【相談】
93歳の母は、認知症から10年もの長い間寝たきりになり胃ろうをつけて老人ホームに入所しています。施設に面会に行くたびに、このままで良いのだろうかと思うようになってきました。弟とは疎遠ですが、金銭的なことなどは全て対応していているので感謝しています。母から「終末期にはこうして欲しい」というようなことは聞いたことはありませんが、今の状態を望んでいないと思います。
私は一人暮らしなので、協会のホームページで北海道支部の動画を見て、LWを作成して意思を明確にしておくことが大事ではないかと考えるようになりました。口から食べられなくなったら胃ろうを拒否して自然に命を全うしたいと思いますが、どのように進めるとよいでしょうか。(65歳 女性)
- 胃ろうから栄養をもらって生きている母を見ていると辛くなります。
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意識がなく回復の見込みがない状態での胃ろうは延命措置になります。しかし、お母様は明確な意思表示がない状態で認知症が進んだ今は、家族の意思が尊重されますので、弟さんの意思が反映されていると考えられます。
面会のたびにお辛いと思いますが、手をさすり言葉をかけることが何よりも大切なことではないでしょうか。 - 一度つけた胃ろうは抜くことができないと聞きました。
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本人の意思が確認できない時は、何が最善かをご家族と主治医を含む医療従事者と十分な話し合いを繰り返し、お互いが納得できる合意形成を経て中止することは可能です。(日本老年学会高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・栄養補給の導入を中心として)
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/jgs_ahn_gl_2012.pdf
意識がなく寝たきりの状態になると、徐々にエネルギー消費量が少なく多くのカロリーを必要としなくなります。胃ろうを抜くではなく栄養量を徐々に減らして水分だけに移行することも試みられています。
しかし、10年もの長い間安定した療養生活を送られていることは、行き届いたケアが提供され、お母様の生きる力も大きな要因になっていると考えられます。
- 私は口から食べられなくなったら胃ろうは拒否したいです。
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口から食べられなくなったら、胃ろうをしないで欲しいというご自分の意思を明確にすることが大切です。
- 意思を明確にするということはどのようなことでしょうか。
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終末期における医療などについての意思表明です。LWと私の希望表明書を作成し提示することにより、あなたの生活・医療・ケアに関わる方々に伝わり、その結果あなたの生き方が最期まで尊重されることになります。
自分の人生の最終段階は、いつ、どこで、どのように過ごし、それをだれに託すかということも含めて、信頼できる人と共有し了承を得ておくとよいでしょう。 - 弟とは疎遠で私は一人暮らしです。託す人がいません。
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日常生活や身元保証、財産管理、死後の手続きなどを一人で抱えて過ごすことは不安ですね。できることから一つ一つ準備を進めて行くよい機会です。
1、先ずは自分のできることから始めてみましょう
◎リビングウィルノートを書いてみましょう。
あなたが大切にしてきた事、延命治療をどこまで望むか、最期をどこでどのように過ごしたいか、大切な人へのメッセージなど思いのままに書いてみましょう。
2、あなたの希望を一緒に整理してくれます
◎医療・介護は専門職に託す医療や介護のチームと話し合って決めていく形もあります。
包括支援センターの相談窓口や在宅医療・訪問看護の事業所では単身の方の相談も受けています。
◎法的な仕組みや民間のサポートを利用する
身元保証や終末期のサポートを行う民間サービスでは家族の代わりに入院や施設入所の手続き、死後の事務などを担う仕組みがあります。
また、認知症などで判断が難しくなったときに備えて成年後見制度などに託す方法もあります。
こうした準備を進めることで、精神的な負担が軽減されると共に、大切な人たちとの関係性を見直す機会にもなります。いまの段階で「完璧にしておかないといけない」わけではありません。環境の変化や健康状態などで変化していきます。その都度見直しをしていくことをお勧めします。
「胃ろう」を勧められた時にどのように考えたらよいですか?
https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/60.html
われわれが生きていくためには栄養が必要です。普通は口から栄養を摂取します(経口摂取)が、口から食事が全く食べられない時、または少しは口から食べることができてもそれだけでは足りないときに「胃ろう」が検討されることがあります。主治医から「胃ろう」の話をされたときにはどのように考えたらよいでしょうか。
(国立長寿医療研究センターより抜粋)

