95歳の母は、食欲の低下による栄養不良と誤嚥性肺炎で入院中です。点滴から中心静脈栄養に切り変えてから、意識の回復がよく目が覚めている時間も長くなりました。口から食べたがり、唇も乾燥していますが誤嚥性肺炎の再発予防のために一切口から食べることは禁止されています。
先週ソーシャルワーカーとの面会時に、主治医は大腸検査や胃カメラなどの検査は本人に苦痛を与えるだけなので、これからは積極的な検査はしない方針だと伝えられました。そして、療養型施設への転院を勧められました。
心筋梗塞を起こし心臓も弱っているため延命治療は望んでいませんが、少しでも食べる楽しみをとり戻してあげたいと思います。歯科では嚥下状態の検査ができるようですが、諦めた方がよいでしょうか。
少しでも口から食べたいと願うお母様の気持ちを、娘さんとしては大切にしたいですね。口から食べることは生命維持だけではなく、食べ物を見て、匂いをかぎ、咀嚼して味を感じ、ゴックンと飲み込むことで五感と心が満たされます。
中心静脈栄養により栄養状態が改善され食べる意欲が出てきたと思いますが、今は、嚥下機能の状態を慎重に見極めることが大切な時期と考えているために禁止されていると思われます。
積極的な延命治療をしない方針とのことですが、嚥下機能の検査は、飲み込む機能を評価するもので延命治療に値しません。たとえ食べることにつながらなくても、渇いた唇を湿らせ、口腔内のケアをするだけでも満足感が得られ表情が豊かになります。
飲み込みの機能を評価する際には、全身状態が良好で意識がしっかりしていることと、呼吸状態が安定していることが必要です。幸い、受け答えができるようになり食べる意欲もあるようですので、先ずは歯科で面接をしていただき、可能性を判断していただいてもよいと思います。諦めずにお願いしてみては如何でしょうか。
摂食嚥下障害を診断するにあたって、まず第一に全身状態の評価が大切です。全身状態の評価により現在の栄養管理が適切であるかを検討します。また、摂食嚥下障害のある方は高齢者に多く、他の障害(片麻痺や高次脳機能障害など)を合併している場合があります。それらの障害は、摂食・嚥下機能に複雑にかかわっているため、それぞれについて十分な評価が必要です。そのため、これらの全身的な評価を行った後に、摂食・嚥下関連器官の評価・診断に進むのが基本です。
(健康長寿ネットより)
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/sesshokushougai/shindan.html

