出前講座を高齢者施設で実施
九州支部ふくおかでは、高齢者施設での出前講座を新型コロナウイルス感染症対策を行ったうえで、令和3年10月から12月にかけて、7施設で9回行いました。
人生の最期を迎える場所として、今後、病院だけではなく在宅、とりわけ施設が増えることが予測されています。最近では人生の最終段階を迎えた時への備えについての関心も高まり、延命治療を望まず、住み慣れた自宅で穏やかに自然な最期を迎えたいという方が増えてきています。また、一人暮らし高齢者の増加や核家族化による担い手不足から家族介護が難しくなっている社会的背景、家族に迷惑をかけたくないという思いなどから、介護が必要になると自宅から高齢者施設に転居されるケースも増えています。その結果、長く生活されて慣れ親しんだ高齢者施設でそのまま最期まで過ごしたいという「施設看取り」へのニーズが、今後さらに高まることが予測されています。
こうした状況のなか、尊厳死協会ふくおか会長の末廣剛敏医師より、実際に取り組まれている事例から、看取りに関わる際の心構え(最期の瞬間を逃さないように身構えるよりそこに至る過程で精一杯関わること、最期の旅立ちまで決して独りではないと安心を感じてもらえるよう支援すること等)、本人・家族の意思決定支援、リビング・ウイルやACP(人生会議)等について、尊厳死協会の取り組みと合わせてお話いただきました。講義後のアンケートでは「これからは病院だけでなくいろんな最期の場所がある。どの場所であっても本人の希望を大切に、いま何ができるかをいつも考えていきたいと思いました」「尊厳ある死を迎えるために、日頃から尊厳ある生活を考えなおす機会となりました」等の感想をいただきました。
(遠賀中間医師会 副田大介)