腹膜透析で仕事を続けた

相 談

5年前に健診で腎機能が悪くなっていると言われ、内薬と減塩などの食事に気をつけていました。しかし、最近は仕事や家事などで忙しく疲れも溜まっていためかクレアチンは6、8になっています。主治医から8、0になったら血液透析と言われました。

血液透析は週3回で長時間拘束されると聞きますので仕事を辞めることになると思います。これから今までのような生活を続けていく事ができなくなると思うと気が重くなります。以前、自宅できる腹膜透析の方法もあるとインターネットでみました。今と変わらない生活を続ける事ができるならばチャレンジしたいと思います。

(62歳 女性)

回 答

腎臓の機能が悪化して血液透析を検討する時に、今までの生活の質を維持しながらできる腹膜透析にチャレンジしたいと考えているのですね。
今は、腎機能をこれ以上悪化させないために、バランスのよい食事と減塩、適度な運動と休養、ストレスを溜め込まないように生活習慣を整えることが大切です。特に、休養と共に腎臓の負担を減らすために、十分なエネルギーの確保と塩分やタンパク質の制限など食事の管理が必要です。医師や看護師、管理栄養士などと相談してみましょう。

インターネットで腹膜透析についてご覧になったようですが、腎代替療法は①血液透析、②腹膜透析、③腎移植などがあります。

その中で②の腹膜透析は、生活のリズムに合わせて出来るのがよい点です。
基本的には患者本人が透析液の交換トレーニングを受けて自宅や職場、外出先などで行います。通院は月に1、2回程度ですので今までと同じ通院と考えてよいでしょう。
また、公的な医療や福祉などの助成を受けられますので経済的な負担の軽減はもちろんですが、仕事への支援制度なども整っていますので透析をしながら仕事が出来ます。

腹膜透析は開始前に腹膜透析カテーテルの挿入手術を行います。腹腔内に透析液を一定時間入れておくと、腹膜を介して血液中の老廃物や塩分、余分な水分などが腹腔内の透析液側に移動します。老廃物や水分などが透析液に十分に移行した時点で透析液を体外に取り出すことで、血液がきれいに浄化されます。

利点として
①時間をかけてゆっくり行うので体への負担が少ない。
②カリウムの制限が緩やか(多く含む食品:生野菜、果物、豆類、海藻類など)
③残っている自分の腎臓のはたらき(残腎機能)を長持ちさせることができる。

また、65歳前の方で操作に不安などで支援を必要とする方で、身体障害者手帳の所有者や難病指定患者には、訪問看護ステーションや地域血液透析クリニックと連携をとり社会資源を積極的に活用することができます。

腹膜透析の方法は2種類あります。
CAPD:連続携行式腹膜透析  
昼、夜間を通して1日1~4回透析液を交換(おなかに入れたり出したり)します。 おなかの中に透析液が貯留している状態でも自由に動くことができます。
APD:自動腹膜透析 
主に寝ている時間を利用して透析液の交換を自動的に行います。通院回数を減らせて日中の自由時間を多く確保することができます。

NPO法人東京腎臓病協議会の図を参照してください。

腹膜透析は多くの利点がありますが、腹膜炎などの合併症などへの留意も必要です。多職種の医療チームから、腹膜透析治療について詳しい説明を受け、日常生活での注意点、起こりうる合併症などについて十分に情報を提供してもらい、納得した上で決めるとよいでしょう。

一般社団法人全国腎臓病協議会(略称:全腎協)は、すべての腎臓病患者の医療と生活の向上を目的として結成された透析患者を中心とする腎臓病患者の組織です。現在、全国の会員数は約5万人で、日本最大の患者会といわれています。

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