一人暮らしで要支援2です。2か月前に急に胸が苦しくなり救急車を呼びました。数日入院して狭心症と診断されてニトログリセリンを処方され帰宅しました。
今後、今回と同じように胸が苦しくなり救急車を呼んだ後に心肺停止状態になったときは、蘇生措置を受けずに最期を迎えたいと考えています。
そのために冷蔵庫に尊厳死カードを貼りつけてあります。
しかし、救急隊員は救急事態にそんなものを見る余裕はなく、家族に相談もなく蘇生処置が始められることがあると聞きます。
救急車を呼ばないでこのまま死を迎えたいと思うのは自分勝手でしょうか。
救急隊員に延命措置を止めさせることができないのでは、尊厳死カードを持つ意味がないのではと思ってしまいます。
( 77歳 女性)
いろいろな考え方はありますが、先ずはニトログリセリンを服用して様子をみましょう。それでも症状が改善しない時は迷わず救急車を呼んでください。
何故なら、心肺停止状態になっても心臓マッサージなどやAEDで早急に蘇生を開始することにより回復する可能性が高くなります。
そのために、救命を前提としている救急隊員は心肺蘇生法を中止せず救急指定病院へ一刻も早く搬送を試みます。
しかし、明らかに人生の最終段階の直前にある心疾患やがん患者などにおいては、本人や家族の意思を尊重して救急搬送を行わない動きもあります。
本人、家族、医療者が共同して治療方針を決めていくという共同意思決定です。「心肺停止になったときに人工呼吸器や心臓マッサージをしないでほしい」などと事前に記載しておくことです。それにより、救急車が到着し心肺停止状態になっていた時に、かかりつけ医に連絡し指示を仰ぐことが可能になります。
これらは、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に従って取り扱われます。
希望しない旨を先ずは、かかりつけ医に相談しましょう。
十分な話し合いを重ね治療計画を決めていくことが大切です。
決定された内容は全ての人で共有し、万が一の時に効力を発揮できるようにしておきましょう。
また、共同意思決定が作成されていない場合でも、心肺蘇生を行われながら救急病院へ搬送され、家族が人工呼吸器等の開始不開始を示唆されます。延命措置と判断された時は本人の尊厳死カードの意思を尊重し家族が開始をしない旨を伝えることができます。
その意味で救急場においては、本人の意思を確認できる尊厳死会員カードは大切な役割を果たします。
東京消防庁
心肺蘇生を望まない傷病者への対応について
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/content/000026172.pdf

