認知症の父、点滴を外すことはできるか?

【相談】

87歳の父は、数年来の認知症の末に1ヶ月前に脱水症で入院しました。
今は、口から食べることもできなくなり、点滴だけで様子を見ています。
意思疎通はできない状態です。
父は14年前にLWに署名していますので、母は点滴を外してあげたいと言います。
それを主治医は受け入れてくれるでしょうか。

(60代 息子より)

【回答】

回復の見込みがないなら、本人の意思を尊重した話し合いを!

認知症が進むと摂食・嚥下機能も低下します。
長期間、自力で食べられず、意思疎通もできない状態であれば、回復不能な老衰と考えて差し支えないと思います。

末梢点滴は、一時的に脱水を改善するものです。
根本的な摂食不能という問題を解決できなければ延命治療に相当すると考えられますが、最終的な判断は、担当医及び担当チームになります。

本人の予め事前指示書があり、ご家族の皆さまも本人の意思を尊重したいと意見が一致しているならば、現在の処置を続ける事により、改善し、また摂食できるようになる見込みがあるかどうかを尋ねてみては如何でしょうか。
見込みがないという事であれば、
点滴の打ち切りを検討する話し合いをお願いしてもよいと考えます。


豆知識
 末梢静脈栄養(点滴)
 手足の細い静脈から、水分や薄い栄養、薬剤を投与します。

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