80歳 の母は3週間前に脳内出血によって、半身不随になり言語障害、嚥下障害がありリハビリ中です。呼び掛けに応えてくれ、笑ったり泣くこともありますが意識レベルがJCS2とのことです。
現在は点滴と高カロリーのゼリー食を口から食べていますが、ほんのわずかの量しか食べられません。主治医からは嚥下障害が改善しない時は、経鼻経管栄養か胃瘻を検討することになるので考えておくようにと言われています。口から食べられなくなった時の経鼻経管栄養などは延命治療になるのでしょうか。
脳出血前の母の希望は、終末期になったら延命治療はしないで尊厳死を望み、主治医に伝えて話し合いを進めていた所でした。
嚥下障害はあるものの現在はリハビリ中で、口から栄養がとれなくなったときの経鼻経管栄養などは延命治療なるかということですね。
脳血管障害に対して、早期リハビリの開始は神経機能の回復が早まり、よい効果が期待できるとして推奨されています。
お母様は、嚥下障害や四肢の麻痺のリハビリなどを継続して行いながら、改善の可能性を模索している段階ではないでしょうか。
しかし、点滴とわずかな口からの栄養だけでは栄養状態が低下して、長期化すると新たな感染症などを併発する可能性が出てくるために、回復を促す目的で一時的に経鼻経管栄養または胃瘻などを開始する場合があります。
以上のことを決める時は、様々なプロセスを踏むことが大切です。
- 意識レベルや嚥下の改善の兆しが見込まれる時はリハビリを継続する。
- 経口だけでは水分、栄養が不十分な時は導入するか・しないかを検討。
※導入すればそれなりのQOLの達成が見込まれる場合は、一時的に開始しリハビリ を継続し、経口摂取が可能と判断された時は抜去する。
※導入しても達成できるか疑わしい場合は、本人にとって何が最善かをLWと希望 表明書などを元に検討する。 - 導入後に病状の悪化などにより回復の見込みがなくなった場合は、中止ないし減 量の可能性を含めて再検討する。
回復を目的に行う場合は、終末期の延命治療に当たらないと考えられますが、その都度、主治医や医療チームと話し合いをしながら、お母様にとってより良い選択をしていくことをお勧めします。
豆知識
JCS(Japan Coma Scale)とは脳血管障害患者の急性期の意識レベルの進行を知る指標です。
「覚醒しているかどうか」を軸とした評価です。
Ⅰ:刺激しないでも覚醒している
Ⅱ:刺激で覚醒するが、刺激をやめると眠り込む
Ⅲ:刺激しても覚醒しない
3つに分け、それぞれに対してさらに細かく3段階の状態が決められている。