薬をやめると食欲も出て歩けるように
遺族アンケート
94歳母/看取った人・娘/栃木県/2023年回答
食欲不振、脱水、頭がもうろう、体に力が入らない、座位が保てない等の症状が出て、胃ろうをすすめられ、尊厳死協会に相談して母とも話し合った結果、胃ろうはしないことにしました。
今度同じ症状が出たら自然にまかせて自宅で看取るつもりで訪問看護を申し込み、それには医師も変えることが条件になっていて変えました。最初の検査の時に、血中のカルシウム濃度が高いことに気づいてもらえて、関連の薬を飲むのをやめました。それから2か月経っても4か月経っても元気で食欲も出て、座位も保てて、立てるようになり、歩けるようにもなりました。
それから7年近くデイサービスに通い、ショートステイを利用して私たちも旅行に行くこともでき穏やかに暮らせました。私たち夫婦とどちらが先になるかわからないと思うくらいでしたが、トイレで立ちくらみを起こすことがあって、息苦しそうになって酸素が90ちょっとになってきたので入院しました。入院の際に、延命について聞かれたので、今度は母と話をせずに私が独断で「延命はしないで」と伝えました。
入院中は酸素マスクをして苦しそうでしたが、話はできて食事も少し食べましたが、すぐに食べられなくなりました。水を欲しがりましたがやることはできず、口の中のそうじをするスポンジに水をふくませて、ちょっとたらすくらいで、それが心残りです。
コロナ禍直前でしたので、日中はずっとそばにいることができ、孫たちやお世話になったデイサービスの方たちとも会うことができて、それは幸せなことでした。
母には相談せず、延命はしないと決めてしまいましたが、それは日頃から母は尊厳死協会に入会し、無理には生かされたくないと言っていましたので、子どもは私一人ですし、延命しなかったことに悔いはありません。私も私の子どもには延命はしないでほしいと伝えてありましすし、機会あるごとに伝えたいと思っています。お世話になりました。ありがとうございました。
協会からのコメント
ご本人の意思が尊重され、ご家族と7年間穏やかな時間を過ごせ、たくさんの思い出ができたのではないかと思います。それが、これからの生きていく力や、子どもに伝える力となっていくのではないでしょうか。素敵な「看取りのエピソード」をご投稿いただきありがとうございます。