医師の「もうよいのではないですか」のひと言が背中を押してくれました

遺族アンケート

夫/看取った人・妻/兵庫県/2023年回答

もう車椅子での移動がつらくなって、寝台車を使わないと家に帰れない状態になっても、まだがんの治療を提案されたことを疑問に思っています。3月に肺がんがステージ4の状態で発見され、4種類治療を受けましたが、どの治療にも反応しないでがんが大きくなり、本人の意志で10月より在宅で緩和ケアに入りました。在宅の先生の「もうよいのではないですか」のひと言が背中を押してくれました。あのひと言がなければ病院で治療死していたかもしれません。治療を全くしなかった場合と比べることはできませんが、あまりにもあわただしい闘病生活でした。3月〜9月末までが病院、10月〜12月6日までが自宅。それでも最後に自宅で逝けたのは「リビング・ウイル」「自宅で逝きたい」という本人の意志表示がしっかりできていたからです。個人の意志だけではなく組織として支えてもらっているというのが大きな力になりました。「尊厳死協会に入会しています」と言えばよいので楽でした。次は私です。これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございました。。

協会からのコメント

この方は「治療死」と表現されていますが、治療の副作用で衰弱していく患者さんを見て、治療の限界を見極め、家族に伝える医師の役割の尊さを感じます。「不治かつ末期」との医師の診断は、双方にとってつらいことだけれども大変重要で意義ある診断だと、多くの人々の認識が高まることを願いたいものです。つらい日々でしたね。

ご本人の気持ちが優先され、自宅で穏やかに過ごされたことに、協会がお力になれたのなら救われた思いです。おつらいお気持ちが一日でも早く癒えますようにお祈りしています。