本人の口から「これ以上の治療は不要」と
遺族アンケート
97歳父/看取った人・娘/東京都/2024年回答
具合が悪くなって病院で検査し、大腸がん(末期)が発見された時、本人の口からはっきりと「これ以上の治療は不要」との意志表示があり、家族もすでに知っていたことなので「本人の意志通りに」と伝えた。
病院側もそれならとすぐにホスピスを紹介してくださり、10日足らずでホスピスに入居できた。契約の時には、具合が悪くなった時にどうするかをいくつもの選択肢から選ぶようになっており、ひと口に「延命治療をしない」といっても、どこまでやるのかはいろいろあることが初めてわかった。
うちは父が高齢であることもあり、「何もしなくてよいから家族に連絡だけしてほしい」という項目を選んだ。最期の時は、早めに連絡をもらってかけつけたところ、酸素マスクと痰の除去をするだけで安らかに逝った。本人の思いどおりにしてもらえたと思っている。
父は生前に繰り返し最期の時の希望を口にし、書面にも残していた。最期の時が近づくと、家族はどうしてももっと生きてほしいと思ってしまうので、父の希望はどうだったかと家族で何回か確認しあった。
協会からのコメント
「リビング・ウイルを作成する」という意味が活きた、見事な「看取りのエピソード」です。
ご本人が繰り返しはっきり意思表示をされ、家族もその意思を尊重して思いどおりの最期を迎えさせようと意思を固めていても、いざその時が近づくと、「もっと長く生きてほしい」と思ってしまうものです。その葛藤のプロセスがよく伝わってきますし、きっと誰にでも共通する感情なのでしょう。
だからこそ、リビング・ウイルをカードという形で示しておくことが、多くの人々の理解と納得につながるようにと願います。
ご冥福をお祈りしております。

