くすり手帳に託した母のリビング・ウイル
遺族アンケート
93歳母/看取った人・子ども/東京都/2024年回答
母は複数の病院に入院しましたが、どの病院でも入院後すぐに、どのような治療を希望するか確認がありました。その際、尊厳死協会のカードと、母自身が書いた希望のメモを提出し、受け取っていただきました。
病院によっては、尊厳死協会のリビング・ウイルと似た内容の、独自の医療措置に関する確認書類も用意されていました。一方で、リハビリ病院のスタッフの中には尊厳死協会をご存じない方もおられ、協会の会報誌を見せてほしいと言われたこともありました。
それでも、どの病院でも、母が希望しない無理な治療は行われなかったように思います。母にとって尊厳死協会への入会は、お守りのような存在であり、大きな心の支えになっていました。ありがとうございました。
母は普段から、くすり手帳の中に診察券や保険証、尊厳死協会のカード、そして次のような希望を書いたメモを入れて持ち歩いていました。
<メモ>
救急隊員の方たちへのお願い
・生命維持の機械は初めからつけないでください
・管をつけての栄養注射はいりません
・「のど」を切開しないでください
・「胃ろう」は造設しないでください
協会からのコメント
「どの病院でも、母が希望しない無理な治療は行われなかったように思います」とのご指摘のとおり、今後、特に超高齢者への医療はこの傾向が広がっていくでしょう。
だからこそ、お母様のように、「おくすり手帳の中に診察券や保険証、尊厳死協会のカード、そして次のような希望を書いたメモを入れて持ち歩いていました」という生きる姿勢と準備が、ますます必要になってきます。
とはいえ、各種のアンケート調査結果でも明らかなように、リビング・ウイルを実行している人はわずか数%にすぎず、差し迫った状況の中でもなかなか実行できないことが数字となって表れています。
だからこそ、こうして会員の皆様ひとりひとりの実践例を紹介し続けることには意義があります。会員の皆様の実践例こそが、超高齢社会の生き方のよき教師となり得るのだと思います。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

