母の最期で思いがめぐった自分の死に方

遺族アンケート

92歳母/看取った人・娘/大阪府/2024年回答

どちらの先生も理解してくださり、母本人の意志を組みとっていただけたと思います。一応、病院からは本人に治療の内容を伝え、拒否があれば無理にはしなかったと聞いていました。しかし、病状が急変したため、私は母の死に目にはあえず、母は苦しんだ表情をしていましたので、楽には逝けなかったんだなと感じました。難しいですね…正直緩和病棟は重苦しく、私自身、自分の死に方にも思いがめぐりました。

協会からのコメント

リビング・ウイルにもとづく、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を主治医とも十分対話されたからこその、緩和ケア病棟への転院だったかと思います。

92歳のお母様に、ご家族はどのような看取りを希望しておられたのでしょうか? 終末期医療はまだまだ研究の発展途上の医療分野です。緩和ケア病棟のゴール設定は治す治療ではなく、より良い死です。その過程には突然の急変がいつでもあります。とかく、ご家族の間では「死に目にあう(間にあう)」ということがとても重要な意味があることを思い知らされることが多いのですが、そのタイミングを医科学的にはかるのは、実は非常に難しく、検査値だけでは判断しにくいことなのだということを、一般市民の方々にも十分に理解してもらいたいことの一つです。
(【情報BOX】日本尊厳死協会員のための【看取りの観察と過ごし方ガイド】―安らかに健やかに最期を過ごしていただくために、私たちにできること(2022年6月7日)もご参照ください。)


そして、「死ぬ時、場所、誰の傍で亡くなるか?」は、患者さんご自身が決めることなんだなあという不思議な経験を臨床で働く医師や看護師の誰もがたびたび経験します。

人目に触れずに亡くなりたい方もいらっしゃるのです。会いたい人はご家族とは限らないこともあります。タイミングに間にあっても間にあわなくても、それは誰のせいでもないのだと、ただありのままの結果(臨終)を受け止めて差し上げるのが最高のもてしなのだと思います。

そこで、ご家族にお願いしたいのは、終末期に入ったら、それぞれが、日々、今日が最期という気持ちで悔いのない1日1日をお過ごしいただきたいと、それで十分なのです。

ご家族に「緩和病棟は重苦しく」感じさせてしまったのは、病棟の環境でしょうか? それとも医療者の言葉や態度でしょうか? もう少し具体的にお話をお聞きしたい「看取りのエピソード」です。本当につらい経験の連続だったのではとお察しいたします。くれぐれもご自愛ください。