有難かった認知症による入院~「ケアする人をケアする」サポートプランも必要!

遺族アンケート

90歳夫/看取った人・妻/大阪府/2024年回答

病院の先生ほかの方々がとても親切で、主人も闘病末期はとても穏やかで皆様と一緒に寝ることができましたが、入院当初はあまりにも興奮して個室に入れられ、鍵をかけられていました。 

認知症でも妄想が激しく興奮状態にありましたので、先生のはからいで入院させていただいてありがたかったです。入院してからちょうど半年になり、おとなしくなったので施設の入居をと考え、あちらこちらと見に行ったりしていました。

主人は本当に眠るように亡くなりました 私はあまり悲しいとかはありません。さわっていた頭やおでこが急に冷たくなっていくことがわかりました。

主人とは3才年下の私です。私もいつかこうして死ぬんだろうなと思いました。

本当に病院の方たちにはお世話になり、主人を葬儀屋さんが運ぶとき、職員の皆さん全員が並んで見送ってくださいました。ありがたかったです。

協会からのコメント

認知症でも、早期に医療の介入を受け容れて入院や医療スタッフの方々の支援で、穏やかに逝かれた「看取りのエピソード」です。

超高齢化とともに認知症の発症率も高くなることは否めません。「家で最期まで暮らしたい」のが理想でも高齢者の在宅医療や在宅介護が困難になってくる理由は様々あります。徘徊で警察に何回も保護されたり、妄想や興奮で、老々介護のパートナーでは対応しきれなくなったり、同居の家族の人生が犠牲にならざるをえない事態が増えて施設入所の相談が多くなっている現状があります。

最近ではMCI(注)(軽度認知障害)のサインを見逃さずに早期発見、早期対策が重要といわれるようになってきました。認知症になっても自助努力で適応していくことも大事です。その一方、早期発見で地域や家族が対応策を講じることで無理なく家で最期まで暮らしていける地域努力(助け合い)も、全国各地で様々な取り組みがなされています。

妄想や要介護度がどこまで進んだら、在宅・家族介護では無理なのかを客観的な指標で示して、家族の誰かが罪悪感をもつことなく、ケアラーの我慢や犠牲に頼らない、ケアする人をケアするケアプランも必要になってくるでしょう。

これからの超高齢(90~100歳代)の両親をもつ家族の人生をサポートしていくには、医療だけではなく、また介護だけではない、あらゆる専門職種の介入が必要なのです。

そして、そのような多職種を受け容れ、多様な意見を聞いたうえで、自分なりの選択ができるようになるために「患者・家族」の側の学習や意識変革も必要です。

地域包括ケアの意義と発展が、今後ますます期待されます。

【編集部注】
MCI(軽度認知障害)とは、認知症の一歩手前で、健常な状態と認知症の中間にあたるグレーゾーンです。物忘れなどの認知機能の低下はあるものの、基本的な日常生活を自立して送れる状態を指します。