最期は経験豊かな心ある医師や看護師に看てほしい

遺族アンケート

ステージ4のガンと説明を受け、クライアント、家族も、痛みの無い最期を望みました。しかし、疼痛がひどく、医師に痛みだけでも止めてほしいと頼みました。結論は、それほどの痛みはないと担当医。家族は痛がるのを見るのが辛かった。助からないならば、ホスピスのあるような所で静かで安らかな最期であってほしかった。

医者に不向き(失礼ですが)な人もたくさんいらっしゃいます。例えば、抗がん剤副作用で意味のわからない話をクライアントがしたら、上手に話を聞いたふりをしても良いのに「私は良いですが看護師が大変です」等。最期が近い頃には医師は何ができる、何が得意ではなく、経験の豊かな心のある医師や看護師に看てほしい。尊厳死から一歩先の痛みのない、安楽死も考えても良い時期が来ると思います。

協会からのコメント

「痛みのない最期を希望しながら叶わないこと」それが尊厳死協会に登録し、自らの死に対峙しておられる会員の皆様にとって、もっとも辛い体験です。投稿していただき本当にありがとうございます。

「不治かつ末期」の患者・家族が何を希望しているか明確に提示してくださっています。患者・家族が痛みを訴えているのに「痛みはない」と否定し「私は良いですが看護師が大変です」と逃げるのではなく「上手に話を聴いたふりだけでもしてほしい」のが患者・家族の希望だということ。自分の専門と関心領域を超えている時は「経験の豊かな心ある医療者に看てほしい」というのが患者・家族の切実なニーズなのだということ。だからこそ、そのような時には、がんの疼痛緩和管理に経験豊かな他の医師や看護師に紹介・連携して「患者中心の医療」を果たしてほしいのです。それは可能なのだということを「小さな灯台プロジェクト」は、広く医療者と社会に伝えていきたいと思います。