娘がすべて希望通りにやってくれました

遺族アンケート

89歳妻/看取った人・夫/北海道/2022年回答

病院との接触・連絡はすべて小生の長女が行いました。医師から例えば心臓マッサージなどを行うための同意書様式を渡され作成を依頼された際、会員証を提示したところ、様式書類の作成の必要はないと言われ、コピーを取るためカードを渡しました。これで双方にとって大きく手間が省けたと思います。故人存命中、娘は私たち両親から協会やカードの話を聞いて知っていて、今回もカードをあらかじめあずけておきました。My opinion is that the doctor found the death of the patient had been imminent(医師は患者の死が差し迫っていると判断したのだと思います). 

それはともかく協会のリビング・ウイル運動が医療界にも広まり、これに理解・協力を示す医療機関が増えているものと信じます。認知症をわずらう中、不治の病気がわかり入院、11日目にこの世を去った妻のこと不憫でなりません。メメント・モリ(死を意識すること)をわきまえつつ、私もいつかリビング・ウイルカードを娘に渡すでしょう。ありがとうございました。

協会からのコメント

リビング・ウイルが医療者との意思疎通に役立ったことが良く伝わる「看取りのエピソード」です。

総務省が2023年9月18日の「敬老の日」にあわせて発表した推計では、日本の80歳以上の人口は1,259万人になり、10人に1人が80歳以上ということになりました。100歳以上の人口は9万2139人で過去最高、最高齢者は116歳です。

高齢化が進むと、誰にリビング・ウイルを託していけば良いのか深く考えさせられます。

超高齢になると子どもも家族も高齢化し、例え子どもがいても、キーパーソンを果たせるどころか先立たれ、ひとりぼっちになる超高齢者も増えてきています。

我が子がキーパーソンになって、リビング・ウイルが実現できたことは大変幸せなことですね。

これからは、家族でなくとも、友人・知人など親しい人がキーパーソンになることもあるでしょう。それが誰であれ、逝く人の希望を受け容れ、リビング・ウイルを実現することで、人生の充実感や達成感をもって自分たちの行く末を考えさせられる……そんな自然な命のサイクルが巡り、命のバトンが丁寧に手渡されていく生活文化が醸成されますようにと「小さな灯台」は願っています。

大役を果たされたご長女、ご家族の皆様の健康を心よりお祈りしております。