「リビング・ウイルを知っていますか?」と問いかけてくれたかかりつけ医
【遺族アンケート】
(95歳母/看取った人・娘/三重県/2023年回答)
私が「リビング・ウイル」を知ったのは2006年に87歳の義母が透析を受けなければならない状態の中、固く拒否したことがきっかけでした。
その時、義母のかかりつけ医だった医師が「リビング・ウイルを知っていますか」と問いかけしてくれたのです。
その趣旨に賛同し、義母はもちろん、私も夫も、続いて私の父母も入会し、今日に至っています。この4月、私の母が認知症を患っていましたが、95歳で自然死できましたのも、リビング・ウイルに入会していたおかげです。「リビング・ウイル」の受容医師の存在が、いかに患者にとって心の支えになるか、今後理解ある医師が増えることを切に望んでいます。
【協会からのコメント】
リビング・ウイルが救急救命の局面だけではなく「治療の不開始」の局面でも大きな意味を果たすことを証明する「看取りのエピソード」です。
すなわち「何がなんでも治す、長生きするためだけの薬・手術等の選択をしない」という明確な決心が患者ご家族の方に先にあってこそ、医師との対話がスタートするものだということを多くの人々にもっと、もっと知ってほしいものです。
「治療を開始しないという選択」は、医療者の側からは決して言えないことです。まず、ご本人の決心の明確な表明があって、それに応えるためのチョイス(選択肢)としての提示をすることは可能なのです。
つまり「お医者様が何とかしてくれるだろう。医師の言う通りに従うのが患者の務め」という「お任せ医療」に身を委ねる医療の時代ではないという「パラダイムの転換」が、今求められています。貴重な経験のエピソードをご投稿いただきありがとうございました。
今後とも、ひとりでも多くのリビング・ウイル受容協力医師の増加と尊厳死協会の発展にお力添えください。