緩和ケアを引き受けなかった医師も……
【遺族アンケート】
90歳妻/看取った人・夫/神奈川県/2023年回答
かかりつけ開業医には、緩和ケアのみの医療行為はしたくないと断られた。病院の担当医は理解してくれ、また訪問診療の医師からも温かい扱いを受けた。
延命治療を断ち、緩和ケアのみを希望する場合、寝たきりの状態になってからの緩和ケアは医療行為として説明できるが、まだ元気なうちから延命治療を断るのに対して「医師の本分は治療です」と言って緩和ケアの措置を引き受けなかった。
かかりつけ医師の主張も一理あることを認めざるを得ませんでした。これも医療行為であると、日本医師会が明確に指導してくれるとよいのですが、そうならないものでしょうか。
【協会からのコメント】
この投稿からだけでは、詳しい経緯はわかりかねますが、「医師の本分は治療です」とおっしゃる医師の言葉も当然です。緩和ケアを引き受けなかった医師との出会いもあるでしょう。
私たち患者・家族に多様な希望や意見があるように、医療介護従事者にも多様な希望や意見があって当然だと受け容れましょう。
大切なのは、お互いに違いを明確にして、違いを認識できること。そして、批評・非難して裁くのではなく、違いを認め、尊重できること。そして、私たちが自分に相応しい選択可能な道を探せる自由があることなのではないでしょうか?
ひとりの医師の言葉と態度だけで諦めずに、さらに理解してくださる病院、訪問診療医師とリビング・ウイル受容医師を求めて安心の看取りにつなげられたご家族の姿勢に拍手を送りたいと思います。
ご家族のご健康を心よりお祈りしております。