人工透析はしたけれど・・。

遺族アンケート

脳梗塞の症状で入院した時「尊厳死協会に入会している」と記入した。2週間たった頃、担当医より病状悪化が知らされた。その時、私と主人がチェックしたリビング・ウイルの「私の希望表明書」を見せた。又、日頃から家族とも延命措置について話している事も伝えた。このままだと5~6日の命と言われ、子供、孫、兄弟に合わせたいと願い、「人工透析」をお願いした。希望表明書には「人工透析はして欲しくない」とチェックしてあったが、外すこともできると言われ、5日間、人工透析をやり、皆に会って話すこともでき、それから、苦しみもあったが、最後は静かに安らかに息をひきとった。自ら延命治療について、医師と話すことはできなかったが、希望表明書を医師はきちんと受け止めてくれました。

協会からのコメント

リビング・ウイル(延命措置拒否)を示すと、全ての医療処置が受けられなくなるのでは?という懸念を持つ人々が多いのですが、それは誤解です。尊厳ある死への覚悟を示されたからこそ、最期の希望(子ども・孫・兄弟に合わせたい)を叶えるために、5日間人工透析をするという 生命を維持する医療的ケアが受けられたのです。脳梗塞でご自身では意思表明がうまくできなくなった事態にも奥様が代諾者となり、ご主人の意思を最期まで活かすことができた好事例です。