まだ治ると思い心臓マッサージと人工呼吸をお願いした

遺族アンケート

83歳父/看取った人・息子/奈良県

2019年3月2日、早朝に倒れていて、病院に救急搬送していただいた時には脳梗塞だと思いました。3月4日に一度心停止し、延命はしない方向でしたが、電話で処置をどうするか聞かれた時に、まだ治ると思い心臓マッサージと人工呼吸をお願いしました。その時も意識が回復しなかったので、その時の判断が父の意思に反していたかもという罪の意識はずっとあります。が、家族としては、父の世話をして納得のいく時間を過ごせたと思います。

ただ、父は普段から人工呼吸などの延命治療をしないでほしいと言っていたのですが、父が倒れた時点で意思表示はできない状態だったので、どこまでが正解かは分かりませんが、治る可能性があれば家族は治療を選ぶと思います。そこをどうするかは、普段から父との話し合いが足りていなかったかとは思いますが、無理な延命治療で寝たまま命をつなぐだけで何年もとはしなかったことは、父の意思を確認できていたからだと思います。父にとっては尊厳死の考え方、生命に対する考え方、捉え方が大変良かったのだと思います。

ただ、本人の意識がなくなった時に判断するのは家族になりますので、家族に向けた資料などが充実すれば良いと思いました。
※父が私たちに見せていなかっただけで、既に充実しているとすれば申し訳ない意見ですが。とりとめのない文章で申し訳ございませんが、これをアンケートの答えとさせていただきます。長らく父がお世話になりました。どうもありがとうございました。

協会からのコメント

脳梗塞かと思っていた病状は何だったのでしょうか。医師からどんな説明があったのか? 倒れる前、自立した生活ができ、十分な意思の疎通はできていたのかなど、この投稿からだけでは応答しかねます。が、ある日、尊厳死を希望している親が突然救急搬送された事態に、家族はどう対応すれば良いのか、対処の仕方(覚悟・言葉・態度)について、家族に向けての資料が求められているという点に着目させていただきました。大事なテーマですね。そうでないと、ご家族が長く罪意識に駆られてしまうのだと。この場合は【time limited trial(お試し期間)という考え方】がきっと参考になるでしょう。
本サイト内の情報OX「人工呼吸器は取り外すことができるの? できないの?」の中で解説していますのでご参考になさってください。
人工呼吸器のお試し期間だったのだと理解すれば、家族がお世話する時間がもて、別れへの心の整理期間がもてたという前向きな受け止め方で良いのだと納得していただけるでしょう。罪意識をもたれる必要はありません。お父様のリビング・ウイルの代諾者として立派に役割を果たされたのですから、自信をもって一歩前進なさってください。お父様のご冥福を共にお祈りしております。