サ高住で安心して看取ることができました

遺族アンケート

91歳母/看取った人・娘/東京都/2021年回答

本人の希望に沿って自宅で看取るとしても、家族だけでは夜間など、とても大変だと思います。母の場合、サ高住1)で要介護だったため、ケアマネジャーさんにどんな介助ができるか聞けて、ヘルパーさんを最期に増やせたこと、看護師さんが死の経過がどのようになっていくのか、家族の対応を詳しく教えてくださり安心できました。

もし尊厳死の意味を知らなければもっと不安だったと思います。そして病院任せでなく、亡くなるまで、私がそばにいられたこと、大変でしたが協会に感謝しています。

編集部注:1)
サ高住とは「サービス付き高齢者向け住宅」のこと。バリアフリー構造の住宅で、ケア職が日中常駐して安否確認と生活相談を提供してくれます。詳しくは【情報BOX】「大切な人(伴侶)」をどこで看取りたいですか?

協会からのコメント

在宅看取りは「言うにやすく、行うに難し」です。どんな風に大変なのか誰もが具体的にイメージできるほど、実態がよく知られていません。在宅看取りは、見守る家族が尊厳死の意味を学び、多種の医療ケア職の支援サービスを得て、安心・納得の環境が整ってこそ可能なことです。決して、家族だけで果たすのが在宅看取りではありません。看取り看取られる場所は「家のような自由で温かな場所」という意味であって、自宅でなくても介護施設でも、サ高住でも、場合によっては病院でも条件が満たされれば良いのです。

「その方にとっての大切な誰かが最期までそばにいてくれるという逝く人の安心感」があるかどうかが大事なことだという原理原則を、この「看取りのエピソード」から知っていただきたいものです。心からのご冥福をお祈りしております。