リビング・ウイルは精神的に頼れるもの
遺族アンケート
68歳夫/看取った人・妻/神奈川県/2021年回答
普段から健康保険証などと一緒にしていて常に提出していました。今回入院時の説明の時に担当看護師さんに口頭でも伝えましたが「宗教かなんかですか」と言われた。入院半年くらいで、すでに点滴でしか栄養をとれなくなった時に呼ばれて、もう話せないほどになっている本人の状態をみて、これ以上の治療は望まない旨を伝えた時はすんなり受け入れてもらえました。この時、次男も一緒で同意してくれました。
主人とは一緒に入会しましたから、常々「延命治療はしないよ」と、主人と子どもたちにも伝えてあり同意を得ていました。主人にはもうこれ以上の苦しみは与えてほしくなかったので、これで良かったんだと思いました。
私自身の時も、そのようにしてほしいと子どもたちには伝えてありますし、私の希望です。今回思いましたが、リビング・ウイルは精神的に頼れるもので、意思決定を強く左右するものだと感じました。
協会からのコメント
リビング・ウイルは、本人からご家族へ、そして医療者へ、さらにそれを見聞きしていた孫たち、さらに友人、知人へと……人から人へ、次の世代へと実践され、伝承されていくのでしょうね。
そして、ブーメランのように、次には自分の身を託せる人との出会いにもつながっていくことでしょう。
自分の命を託す人、託された人(代託者)※の意思決定を精神的に支えてくれるものであることを多くの人に伝えられる「看取りのエピソード」です。
編集部注:
※代託者は認知症がすすんだり意識がなくなった時、自分の代わりに医療的処置や治療やケアに関して代弁してくれる人のこと。後見人制度は主に資産管理が役割、医療的判断はできないことになっています。日本ではまだ代託者の法的担保はありません。