ある日突然! もしもの場合の決断
遺族アンケート
86歳母/看取った人・娘/福岡県/2022年回答
病気がわかってから本人の希望で入会しました。もしもの場合について以前から母の希望ははっきりしていましたので、入会後、安心して暮らせたようです。病状が悪化し緊急入院後、担当医から電話が入り「ご本人が点滴等の処置を希望しないと言われていますが、ご家族としてはどうなさいますか」と言われました。コロナ禍で面会もできず、突然の決断を求められ、以前から「もしもの場合」について本人と話し合っていたものの「尊厳死協会に入会していますので、本人の希望通りにお願いします」と伝えました。
担当医はあっけないほどすんなりと受け入れられました。
「もしもの場合」の決断は突然、しかも電話でしたが、以前より本人の希望と家族での話し合い、そして尊厳死協会への入会という時間を過ごしたことで、家族にとっても大きな決断を悔やむことにならず、悲しみを軽減してくれたと思っています。
協会からのコメント
「いつかはあること」と知ってはいても「ある日、突然の命の選択」を迫られる経験は、誰にとっても苦しい経験です。そしてコロナ禍の影響もあり、直接会ってゆっくり伝えられることもなく、電話でイエスかノーかの答えを迫られる事態も多くなりました。だからこそ「尊厳死協会への入会という時間を過ごしたことで、家族にとっても大きな決断を悔やむことにならず、悲しみを軽減してくれたと思っています」という言葉に着目したいと思います。自分の意思を言葉にすることも大切なことです。が、言葉だけに留めず、入会という「行動」が伴った時、家族が選択・決断する勇気の支えになったという事実。
まさに「愛は行動」なんだなと納得させられる「看取りのエピソード」として、多くの人の参考にしていただきたいものです。