認知症がすすんだ母。慣れ親しんだ自宅での最期。

遺族アンケート

認知症を患う前から、母は入会しておりました。元気な頃から自分で“尊厳死”を望んでいたようです。
アルツハイマーによる転倒骨折等で入院する度に、穏やかだった母が病院を嫌い、認知度はあがっていきました。凛としていた母が、記憶が薄れ、身体だけが動くことで徘徊して不安を訴えるのを見ることは家族にとってはとてもつらいことでした。“ボケれば本人は楽”というのは間違いです。わけがわからず、とても悩んでいました。最後は静かに慣れ親しんだ居室で迎えさせてあげたいと思ったのはそのころです
施設と主治医にリビング・ウイルをお見せしたら、大きな理解を示してくださり、即座に方針が決まりました。その数年後、バイタルの数値が下がってきた時も病院搬送はせず、見守ってくださりました。老衰でいつものベッドで眠ったまま息を引きとった母は穏やかな表情でした。言葉通り“尊厳”を持って自分の力が尽きた時、自然に逝きました。心から協会に感謝いたします。ありがとうございました。そして私自身も会員であることに、今、安心しております。

協会からのコメント

認知症になる前の、リビング・ウイルの表明と協会登録という具体的な行動が、認知のレベルが下がった時の意思決定支援に非常に有効で、家族や親族の大きな心の支えになるものだというとてもよいお話しです。こういう実際を知る体験者が協会の会員様であることも大きな力です。今後ともどうぞ、”認知症になる前にリビング・ウイル”の登録をという啓発努力をご一緒に広めて参りましょう。