「お葬式はしてくれるな」と言っていたものの……
【遺族アンケート】
96歳母/看取った人・息子/神奈川県/2023年回答
母は19年前に交通事故を起こし、以後半身不随となり、入院生活の後施設に入所しました。
それ以前から常々尊厳死協会に入っていること、そして決して葬式はしてくれるな、と言っていました。根が丈夫な母も、だんだんと食事がとれなくなり、入院後は穏やかでした。
ゼリー食もとれなくなると、先が細くなるように、静かに息を引き取りました。
この社会で生活している以上、亡くなった後もいろいろと手続きやら菩提寺とのやりとりなどあり、家族で話し合って小さなお葬式(近親者のみ20名)を営みました。お寺の和尚さんも、お葬式までの何日か毎日お参りいただき、心のこもった読経をしていただきました。残された家族もそれで心が落ち着くとともに、穏やかな死に際に、人が誰も避けて通れぬ死に際しての心構えを教えられた気がいたしました。
尊厳死協会の皆様、どうもありがとうございました。
【協会からのコメント】
「決して葬式はしてくれるな」というご本人の意思を汲み取りつつ、遺族としての心の整理としてお寺の和尚さんのご縁に助けてもらいたい(救いを求める)「遺族としての意思」も大切にされなければなりません。
亡くなられた後のご家族の気持ちの整理の時間がいかに大事か教えていただきました。そして心構えを考える機会となったこと、人の死の影響力の大きさを改めて感じます。ご冥福をお祈りいたします。