「これで良かったのか」と自問自答の日々
【遺族アンケート】
88歳母/看取った人・息子/兵庫県/2023年回答
母を自宅で約4か月間看病、介護しましたが、常に延命治療は望まないと聞かされていたので、肺がんステージ4とわかった時点で自宅で看取りをすることが方針としてすぐに決まりました。
できるだけ苦しくないように、痛くないようにと、医師、看護師も気をつけて訪問をして対応してくれました。母の希望どおりの最後であったと信じています。
体調が悪くなると、元気な頃と気持ちが変わることがあったかもと思うこともありましたが、痛みなく苦しまず亡くなったことは幸いでした。しかし看病していた私としては、これで良かったのか、これが望んでいた形なのかと、わからなくなることも多かったです。
私もリビング・ウイルのことをもっと学んでおいた方が良かったと思いました。特に母が亡くなってからの日々、これで良かったのかと自問自答しています。複雑な思いですっきりとしません。
亡くなったとたんに医師や看護師と話すことはなくなり、葬儀屋と事務的な話になり、リビング・ウイルのことは全く話すことがありませんでした。母の死の形ではなく、母の死そのものと、リビング・ウイルを受け入れるのには、もう少し時間が必要だと思います。今回のアンケートで少し考えることができました。今の思いを書かせていただきました。次は私自身の最期のことを考える番になってきたのだと思います。
機会があれば講演会などに参加したいと思っています。その時はよろしくお願いいたします。
【協会からのコメント】
「大切な人を亡くする哀しみ」を「グリーフ(悲嘆)」といいます。その心理過程について世界の多くの学者による研究がなされています。時に、哀しみを客観的に見てみることも癒しの助けになると思います。ぜひ【小さな灯台・情報BOX】の「グリーフケア―大切な人を亡くした哀しみを癒すために」の情報も参考にしてみてください。
これで良かったのか? と感じるのは、当たり前なのだと知ること。その想いを「書いて投稿」してくださる「プロセス」がすでに大切なセルフカウンセリングの役割を果たしていることにも気づいていきましょう。「小さな灯台」が果たせる、それこそ「小さな効用」だと自負しています。
会員の皆様と共に、このグリーフケアのプロセスを、これからも大切に育てていきたいと願っております。
「機会があれば講演会などに参加したい」とのこと。協会では、各支部で会員様向けのサロンや講演会を行っています。下記サイトをご参照の上ぜひご活用ください。
https://songenshi-kyokai.or.jp/event
ご家族のご健康と共にお母様のご冥福をお祈りしております。