入院と同時に転院先を決める流れ
遺族アンケート
86歳夫/看取った人・妻/神奈川県/2024年回答
昨年の1月に肺炎にかかり、コロナの時期だったため市立病院に12日間入院、9月25日に肺炎でかかりつけの病院に70日間入院、12月7日~23日まで療養型病院で安らかにあちらに旅立てました。
最初に各医師から延命治療についての問い合わせがありましたが、即座に会員証をお見せしますと、先生方も「承知しました」とお答えになりました。おかげさまでつらい治療もせず穏やかに最期を迎えられました。
入院の際、会員証をお見せでき、その後の治療もスムーズにできたと思います。まだまだ多くの方が尊厳死協会のことを知らないのが残念です。私は知り合いの方数名にカードをお見せし、内容も説明しましたところ、尊厳死協会に入会されました。入院先の先生方もよく理解されたご様子でした。最後の病院への転院については、現在入院期間が決まっているため、入院と同時に次の病院を決めるようにと言われました。
協会からのコメント
肺炎を繰り返す後期高齢期(75歳以上)の方が、受診から看取りに至るまでの流れや受診体制の様子がよく“見える”「看取りのエピソード」です。
肺炎を繰り返すのは、すでに人生の最終段階であり、終末期医療の必要があることを意味します。そのため、どこの医療機関を受診しても、最初に「延命治療についての問い合わせ」が行われるようになりました。
つまり、誰もがACP(アドバンス・ケア・プランニング)について、医療者と対話することが求められるのだということを知っておく必要があります。
後期高齢者自身も、そのご家族も、「ある日突然のことで、何と答えたらよいのかわからなかった」という事態にはならないように十分に心得て準備しておくことこそが、「終活」の要だということを、もっともっと多く人々に知ってもらいたいものです。
その時! 第三者(尊厳死協会)も証明していることがわかる「リビング・ウイルカード」を提示できることは、医療者にとってもご家族にとっても判断のよりどころになります。
「即座に会員証をお見せしますと、先生方も『承知しました』とお答えになりました。おかげさまでつらい治療もせず穏やかに最期を迎えられました。」と、このような巡り合わせに誰もが恵まれますように、リビング・ウイルの啓発活動に、今後ともご支援をよろしくお願いいたします。ご冥福をお祈りいたします。

