自分自身の最期を決めていてくれた母に感謝しかない

遺族アンケート

85歳母/看取った人・娘/東京都/2025年回答

祖母(母にとって義母)が入院中、夜に病院から電話がきて、人口呼吸器を付けるか付けないか急に判断を迫られ、付けることにしてしまったが、付けたら話すことも食べることもできなくなってしまい後悔したという話を母から聞いた。それをきっかけに父、母は共に尊厳死協会に入会して、自分自身でどのような最期を迎えるか決めておいてくれた。おかげで私は判断に迷うことなく母が入院のたびに延命を希望しないこと、痛みはできるだけ取り除いてほしいことを病院に伝えることができた。

痛みのコントロールは難しく、痛みが強く出たり薬の影響でせん妄注1)が出たりしてつらい思いをさせてしまったが、できる限りのことはできたと思う。本人の希望により自宅で最期を迎えることができてよかった。

在宅介護ができたのはお世話になった施設(小規模多機能型居宅介護注2))のおかげ。だんだん食事がとれなくなってきて、水分も飲めなくなり、弱っていく母を見ているのはとてもつらかったけれど、息を引きとる時間も一緒にいられたのはよかった。(ただ、私が一人の時だったのでとても動揺した。)

食事については病院や施設に入っていたら好きなものが食べられないので、自宅でいろいろと食べられたのもよかった。リビング・ウイルがなかったら、どうしたらいいか、いろんな場面で迷ったと思う。自分自身で決めておいてくれた母には感謝しかない。

協会からのコメント

過去の看取りの後悔から、ご自身の最期の迎え方を決めておいてくださったお母様。目の前で少しずつ弱っていく姿を見るのは、家族にとって身を切られるようにつらかったこととお察しいたします。

それでも、ご自宅で好きなものを召し上がり、ご家族の温もりに包まれながら息を引きとられた時間は、お母様にとってかけがえのないものだったはずです。「感謝しかない」というお言葉に、ご家族のお母様への深い愛情を感じます。

編集部注
1)せん妄とは、脱水、感染、炎症、貧血、薬物など、身体的な負担がかかった時に生じるつじつまのあわない言動をとったりする「意識の混乱」のことです。

2)小規模多機能型居宅介護とは、一つの事業所が「通い(デイサービス)」を中心に、「訪問(訪問介護)」や「泊まり(宿泊)」のサービスを柔軟に組み合わせて提供する、介護保険の地域密着型サービスで、住み慣れた自宅での生活を軸に、顔なじみのスタッフから24時間365日の支援が受けられます。