「どうしても病院に行きたくない」という母の言葉に医師は・・。

遺族アンケート

母がリビング・ウイルカードを作った時点から、私や弟、周りの人たちに知らせており、周りの方々も入会されております。常に保険証と一緒に持っており、母は最期まで頭はしっかりしておりました。亡くなる一週間くらい前より、ほとんど食べなくなり、『もう92才まで生きたから、自分の母の年令を越したし(祖母は90才で亡)もう充分だ』と・・・いよいよ自分でおしっこする力もなくなり、施設のお医者さんが病院に…と言われた時、母は、どうしても病院に行くのはいやだとカードを出したら、医者は、「分かりました。病院にも連れて行かない、救急車も呼ばない」と言って下さり、母は安心致しました。父や周りの方が亡くなる時、延命処置をして点滴や鼻から色々なチューブを通し、痰がからんで苦しい様子を見ているのも辛かったのでしょう。母は最期まで苦しみも痛みもなく、本当に安らかに逝ってくれたので、望み通り見送れたと思っております。

協会からのコメント

食べたくなくなる、トイレに行く力もなくなるのも自然死の大切な兆候です。最期まで意識が明確な92歳のお母様が「どうしても病院へ行くのはいやだ」とリビング・ウイルカードを出された時。 医師が 「わかりました。病院にも連れて行かない。救急車も呼ばない」 と言ってくださった時。その時の確信に満ちた医師とお母様の安心された表情との対話のシーンが目に浮かぶようです。阿吽(あうん)の呼吸とは、人と人との気迫の出会いなのではないでしょうか?「安らかに逝く」とは?ということを教えてくださる大切な看取りのエピソードですね。