献体も本人の希望でした
遺族アンケート
96歳父/看取った人・娘/神奈川県
父が明確に意思表示してくれていたので、迷うことなく、入院から亡くなるまでの4週間、父に感謝の言葉を伝えることができましたし、父の妹・弟・2人の子どもに見守られて逝きました。献体も本人の希望でした。遺される者のことを考えて自分で決めていったことを尊敬します。担当医と信頼が築けなかった中で、ソーシャルワーカー・看護師長さんに助けられました。最期まで元気な一人暮らしができたことも誇りに思います。
協会からのコメント
リビング・ウイルを明確にした“生き方”選択をされてきた96歳のお父さまの覚悟と決断は本当にお見事です。戦中戦後の時代を生き抜いて、最期はリビング・ウイルの登録と献体という意思表明を通されたこと、そしてその想いをご家族が達成された事実を、こうして多くの方々にご紹介できることが「小さな灯台」の誇りです。
「担当医と信頼が築けなかった」と感じられたのはどんなことだったのか、残念な思いはありますが、大学病院は医師の教育機関です。人間は相性もあり全ての医療者と円滑な関係を築くのは難しいかもしれません。でも、医療者は医師だけでなく、看護師や薬剤師、栄養師、医療ソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士などがおり、病院がチームで活動していることの良さは、多種多様な医療者のサポートを受けられることです。私たち患者家族も、医師だけを頼りにする感覚や意識を変えていく必要があるかもしれません。
お父さまに感謝の言葉を伝え、生き様を誇りに思えるご家族の幸せな姿は、きっと大学病院の医師をはじめ、チーム医療者全員へ深い影響を残していかれたことでしょう。心からのご冥福をお祈りしております。
お父さまがリビング・ウイルとともに希望された献体について「小さな灯台」内の情報BOX【「リビング・ウイル」と「献体」知っていますか? 話していますか?】をご参照ください。