若かった時にはリビング・ウイルを医師に伝える覚悟はできなかった

遺族アンケート

76歳夫/看取った人・妻/新潟県/2021年回答

入会は40代後半でした。リビング・ウイルについては、入会後10年くらい過ぎてから医師にお伝えできました。入会後、すぐに終末期だったらお伝えする覚悟はできなかったように思います。病気になった当初は、病状も進行していませんでしたので、胃ろう造設や気管切開等、また、咽頭全摘出も行いました。最終的には人工呼吸器はつけませんでしたが、それ以外は若かったので覚悟はできませんでした。夫の気持ちはよくわかりませんでした。

協会からのコメント

 その都度の病気がどのようなものであったかは、この投稿からはうかがい知れませんが、長い人生を経ることで、時代とともに夫婦や高齢者のイメージ、役割、希望や考え方は変化していきますね。

病を得て長い経過の中で、治療の選択のたびに覚悟を問われます。リビング・ウイルを伝えるタイミングも、かかりつけ医やご家族との日常的な会話の中で話し合い、その時その時の考え方をご家族や医療・ケア職と共有できればいいのだと思います。さまざまな治療の時期ごとに決断を重ねてこられ、納得のいく最期だったのではないかとお察ししますが「夫の気持ちはよくわかりませんでした」という言葉が気になります。

複雑な想いをご投稿いただき本当にありがとうございました。大切な「看取りのエピソード」の一つとしてご紹介させていただきます。