本人の希望通り穏やかに旅立ったことが私の心の安心材料に

遺族アンケート

86歳夫/看取った人・妻/神奈川県/2021年回答

救急車で運ばれ、医師から診断の結果「脳幹出血でかなり状態が悪く生命の危険もある。元通りの回復は難しく、良くても寝たきり状態になる。治療(延命)をしますか?」と問われました。そこで、当人は(私も)尊厳死協会の会員であり、以前から延命治療は望んでいなかった旨を伝えました(その時会員証は持ち合わせていませんでした)。先生は黙ってうなずかれましたが、言葉には出されませんでした。しかし、私の希望と協会の趣旨を了解されたものと思いました。そのまま、酸素マスクと点滴だけをして、約15時間後に永眠いたしました。まるで気持ちよく眠っているような安らかな亡くなり方でした。

先生には「このように安らかに眠らせていただいてありがとうございました」と心から御礼を申し上げました。以後、私の中では、本人の希望通り苦しみもせず穏やかに旅立っていったことが何よりの心の安心材料となり、夫に対しては今までの人生の感謝と共に、天国での幸せを願って手を合わせている毎日です。

協会からのコメント

“尊厳ある最期”を満たす見事な「看取りのエピソード」です。リビング・ウイルを伝え、それを理解した医療者と出会えて、初めてご本人の意思を尊重できることがわかります。リビング・ウイルカードが、このような穏やかな最期をみんなが迎えられることのお役に立てますように。

満足のいく幸せな看取りにつながった「看取りのエピソード」を、これからもたくさんご紹介できるようにと願ってやみません。