母は自ら緩和ケア病棟のある病院を探し選んで入院しました
遺族アンケート
74歳母/看取った人・娘/福岡県/2022年回答
母が大変お世話になり、ありがとうございました。
母は自ら希望し緩和ケア病棟のある病院を探し選んで入院しました。リビング・ウイルについて、娘である私は医師、看護師の方と話すことはなかったですが、母が病室の引き出しに宣言書を入れていて、常日頃から自然のままで逝きたいと話していたので、十分に伝わっていたと思います。緩和ケア病棟では約2か月の入院生活でしたが、病院の方々は本人の意思の通りに対応してくださいました。
最期もあまりにもつらそうな状況で、「鎮静」のお薬を少し使ってみてはとの提案もあり、薬の作用など詳しく丁寧に説明を受け、家族としては使って良いのか正直迷いました。しかし、ほぼ意識がもうろうとしていてしゃべることができなくなっていた母でしたが、本人に「お薬で少し楽になれるらしいけれど使ってみる?」と家族の私たちからも看護師さんからも何度も聞いてみましたが、最期のさいごまでしっかり首を振り断っていたので、薬も投与されることなく、本人の思う通りに逝くことができたと思います。
尊厳死協会様のおかげで、母の生き方、考え方を貫くことができて、またとても支えになっていたことと思います。また、本人の意思が尊重され、とても良かったと思います。
母も私たち家族もとても納得のいく旅立ちができましたことを深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
これからも同じような思いをお持ちの方々をお支えいただき、皆様の思いが尊重されるようご活動が続けられますよう祈念いたしております。後日少しではありますがご支援させていただきます。よろしくお願いいたします。乱筆乱文失礼いたしました。
協会からのコメント
「母は自ら希望し緩和ケア病棟のある病院を探し選んで入院しました」とは、自分の目で確かめて最期を過ごすのに良いと思える場所を見つけたこと。子どもたちに頼らず、自分の意思として、尊厳死協会に登録し、リビング・ウイルの宣言書を病室の引き出しに入れて表明し続け「生き方、考え方を貫く」ための支えにしながら、リビング・ウイル受容医師や医療ケア職者に託されたこと。「尊厳死を希望する」ことの具体的な準備・生きる姿勢のモデルともいうべき「看取りのエピソード」です。
看取ったご家族が「最期まで本人の思い通りに逝くことができた」と実感されたことは素晴らしく、お母様の逝き方は、きっとご家族や多くの人へ影響を残してくれるでしょう。心からの敬意をこめて、共にご冥福をお祈りしております。