環境変化のたびに提示したリビング・ウイルカード。

遺族アンケート

20年前、半年、病院で苦しんだ末に母が亡くなった時、私が入会しておりました貴会への入会手続きをとるように、と父から頼まれました。それから、会員証は保険証と一緒に常に持っていたようでした。5年位前には、今の施設に移り、その入居時に入会している旨を職員の方に伝えておりました。
最初にこのカードが力を持ったのは、3ヵ月に一回通院しておりました、熱海の大学病院でした。血圧が高くなっているとのことで、それまでの倍量が投薬されて4~5日目、「様子がおかしい、フラついて食欲もない」とケアハウスから連絡を頂いたので、すぐに病院に行き、状況を話し、会員証を(私の分も)提示しましたら、医師がすぐに、「薬の量を前に戻して様子を見るように」とご指示下さり、そのように連絡しました。
常駐の看護師さんと連絡をとりあい、2日程で体調がもどりました。その後も、5~6年の間に2、3回、お薬の量について(その後は検診の時につきそいましたので、その場で)医師にお願いしてなるべくお薬を減らす方向で、健康を維持できておりました。大きな変化がなく過ごしておりましたが、この春から急に食が細り、会話もなくなり、コロナで会えませんでしたが、スタッフさんからご連絡を頂いておりました。そして6月の定期健診時に看護師さんがつきそって下さり、この時特別に私も同伴が許されました、主治医を施設の専従の医師にchangeして頂けました。会員だったので、救急搬送せず、居室での看取りをして頂ける手筈が整いました。
父の望みが叶い、前々日までカラオケの真似事をしてアイスクリームをなめて、苦しまずに旅立てることができました。スタッフの皆さんと貴協会のおかげと心より感謝しております。できれば私もこの恩恵に預かりたいと願っております。
皆様にはどうぞ、おすこやかにお過ごしくださいませ。

協会からのコメント

高齢者医療は”治す医療から支える医療へ”と言われますが、その方針を医療者が貫いていくのにも家族の同意と支えが必要であることを示唆する、とても良い例です。一例だけで全てを推し量ることはできませんが、高齢の両親を看取る立場にある50歳前後の世代の方々には是非参考にしていただきたいと思います。