母の突然死。そして学んだこと。
遺族アンケート
母は、朝から私を仕事に送り出し、午後、出かけた先で突然倒れ、心肺停止状態で病院に搬送されました。先生方の懸命の処置のおかげで心臓は動き出しましたが、意識は戻りませんでした。先生から呼ばれたとき、父が、尊厳死協会の会員証を見せましたが、先生は会員証を見ながら。「これは何ですか?」とおっしゃりました。私は大変、ショックを受けたことを覚えています。その趣旨を話し、延命のための措置はいらないことを伝えました。先生はその旨を理解して下さり、特に何もされることなく、翌早朝に母は亡くなりました。外出先で倒れたことで、朝から病院に警察が来て、聞き取りをされました。病院の先生ではなく、専門医(?というのでしょうか)の検死がありました。母はほとんど苦しむこともなく、亡くなりました。家族は信じられないという感じでしたが。でも母は、ノートに色々困らないように書き残してくれていたので助かりました。私もそうありたいと今思っています。
協会からのコメント
救急救命医は、救命が使命なので搬送されてきた方を全て救命します。リビング・ウイルをご存じなかったとしても家族が説明したことで理解されたのは良かったです。外出先や自宅であれ、治療の経緯が不明な突然の死は死の原因を確かめるため警察による検死が入ります。それは必要で大事なことなのです。その専門医師を検察医と言います。同じ医師でも役割が違います。そういう現実を知る機会は少ないものですね。だからこそ、私たちはリビング・ウイルを受容し理解ある医師をいろいろな手立てで増やそうとしています。
お母様は残された方が困らないように、必要な事を書き残しリビング・ウイルの会員証を携帯しておられたとのこと。
92歳の見事な生き方姿勢を学ばせていただいた思いです。心からの尊敬をこめてご冥福をお祈り申し上げます。