ハッピーな胃ろう

遺族アンケート

88歳夫/看取った人・妻/北海道/2022年回

19年前パーキンソン病になり、飲み込みだけ悪く体重が25㎏減ったので、「家で暮らしたいなら、胃ろうを」と主治医よりすすめられた。長尾先生の本も読んでいて、先生の講演の時お話もでき「ハッピーな胃ろうだね」と言われ、納得した。口からと胃ろうの栄養で体重も10㎏以上戻り、家で穏やかな幸せな生活を4年間ぐらいできた。
親戚から「尊厳死協会に入りながら胃ろうも造った」と非難されたが、尊厳死協会の電話医療相談で納得のできる助言をいただき、心が晴れた。コロナ禍で病院では面会できなくなったが、主治医から、ポックリ病みたいな最後だったと言われ、だいぶ弱ってきていたので納得した最後でした。ありがとうございました。

協会からのコメント

主治医の適切なガイドとご家族の理解によって、在宅で穏やかな4年間を過ごせ、病院で納得の最期を迎えられています。その経過の中で、講演会への参加や尊厳死協会の電話医療相談の利用をしながら、冷静に自分らしい判断と選択をされている見事な「看取りのエピソード」です。

病気によって飲み込みだけが悪く、極端な体重減少が起きた時、その対処療法としての「胃ろう」は「ハッピーな胃ろう」という「穏やかな人生のギフト」のような事例もあるのだと事実が示してくれています。

尊厳死は死を急ぐことでも、対処療法をしないということでもないことを、多くの人々に知っていただきたいと思います。ご家族と共に、ご冥福を心よりお祈りしております。