救急隊員にリビング・ウイルを伝えそこねたものの…
遺族アンケート
80歳夫/看取った人・妻/京都府/2022年回答
年齢ということもありましたが、主治医の先生は本人の望まないこと(入院・手術)はせず、そして治療面でも本人の意思、思いを尊重してくださり、決して医療人としての無理強いはなさいませんでしたので、本人も安心して通うことができました。朝自宅で倒れ、先生の指示で救急車で病院へ。先生が本人を見てすぐ「この人は尊厳死協会の人だから全て止めてください」と。私は救急車の方に尊厳死のことを伝えていませんでした。あまりの突然のことでしたので……。そして最後までつきそってくださり「午前11時37分亡くなられました」と。「何も苦しむことのない大往生です」とも。穏やかな顔での最期でした。
協会からのコメント
ご本人の思い、意思を尊重していただける主治医と出会えることができて、突然の事態だったにもかかわらず、穏やかな最期を迎えられた「看取りのエピソード」です。
医療者はご本人の思い、意思を尊重することが一番だと考えています。だからこそ、私たち(患者・家族)はどういう最期を迎えたいのか伝えなければいけません。若い人も元気な人も、自分事として不測の事態の時にどうしてほしいのか考えて伝えておく必要があります。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の果たす役割がよくわかります。ご冥福をお祈りしております。