もう少し生きさせたかった
遺族アンケート
98歳母/看取った人・息子/東京都/2022年回答
4月14日息苦しくて入院、その時胃がんと診断されましたが、胃の中を見たところきれいで……膵臓がんステージ4と診断が変わり、胸水がたまっていたので(息苦しさの原因)、それを分析したところ悪性リンパ腫と変わりました。
コロナで面会もかなわず、2週間後に亡くなりましが、長男の私としては「管をいっぱいつけて生かさない」、母も「できるところまでやったらそのままで」と言っていましたので……もう一度生きる努力をしなかったのが良かったのかと……考えたりしております。もう少し生きさせたかったと思っちゃいます。
常日頃死について口にしておりましたので、自分から連絡してこちら様のお世話になったのだと思いますが、心の支えになったのではと思っています。「もうちょっと生きられるようがんばってみようか」とか言って通信できていたらと思いますが、それもかなわず亡くなりましたので、私としては心残りがあります。長い間ありがとうございました。私自身も、リビング・ウイルのことをちゃんと理解したいと思いました。失礼いたします。
協会からのコメント
人生100歳時代。98歳の看取りにも「これで良かったのか」と心残りがあるという「看取りのエピソード」です。
「できるところまでやったらそのままで」と尊厳死協会に登録しておられたお母様の意思に対して、「もう少し生きさせたかった」と思う子ども(長男・長女にあたる人々は特に)の心象に共感される方も多いでしょう。
「Yes or No」で決められる世界ではなく、第3の視点で眺めてみましょう。お母様にも自分の意思を表現する自由があり、息子さんにも自分の思いを語る自由があります。そのどちらも尊重された上で、命の終焉は誰にでも、いつかはあることです。
今度は「私自身もリビング・ウイルのことをちゃんと理解したい」とのこと。おっしゃるとおりですね。次はご自分自身が自分の意思をどう表現するべきか自由な選択が待っています。身をもって考える機会を与えられた好機と受け止めていただけますように。ご冥福をお祈りしております。