病院で「どうしても胃ろうを」と説得され
遺族アンケート
95歳母/看取った人・娘/北海道/2022年回答
コロナ禍であったため面会がかなわず、4週間後に転院となってやっと会えたと思ったのですが、翌朝亡くなりました。4週間の間、どんな様子だったのか、意識は戻らず変わらないということだけで、植物状態という判断がどの時点であり、その後どのような治療がなされたのかわからないままです。鼻からの栄養は最低限やらせてくださいと言われたまま、医師の面談は、転院の間際でした。
亡くなった病院では、入院前に、どうしても胃ろうをさせてほしい旨説得されました。私たちにも医学的な知識があれば、断固として拒否することもできたと思いますが(母は胃ろうなどしたくないと言っておりましたので)、その時は納得するしかなかったような状態でした。
結果的に母は転院の翌朝亡くなりましたので、何もせずにすみました。面会禁止でさえなければ……とは思いますが、母は、常に会員証を持っていて、自分の終え方の支えにしておりましたので、ありがたかったと思っています。私たちも延命について迷うことはありませんでした。感謝です。
協会からのコメント
コロナ禍で面会できず、医師との面談も十分かなわず、病院では点滴・胃ろうという治療をせざるを得ない状況の中だったからこそ、リビング・ウイルの会員証が活きた「看取りのエピソード」です。
ご本人の強い意思の表明を形にしておくことが、ご家族にとって「迷うことがなかった」という支えになることを多くの人に知ってほしいと思います。
さぞかしつらい経験だったことでしょう。くれぐれもご自愛ください。