「苦しそうだからなんとかして」から「苦しくない最期を迎えるためにどうするか」へ
【遺族アンケート】
93歳伯母/看取った人・姪/東京都/2023年回答
誤嚥性肺炎で入院、熱が下がり口からの食事も再開したものの、食べると発熱の繰り返しでした。点滴からしか水分と栄養分がとれなくなり、このままではより強い点滴を太い静脈に入れるしかないと言われました。かねてから延命措置は望んでいなかったので、リビング・ウイルのことを医師に伝え、元居たケアレジデンスに戻り、看取りとすることにしました。先生も快諾して施設の方も受け入れてくださったので、本当に安らかな最期でした。「苦しそうだから何とかして」ではなく「苦しくない最期を迎えるためにどうしたらいいのか」を考えさせられました。伯母はきっと満足だったと思います。
【協会からのコメント】
「苦しそうだから何とかして」ではなく「苦しくない最期を迎えるためにはどうしたらよいか」は、患者・家族自身の選択の課題なのだということが、まだまだ知られていないのが現状です。
病院は治療するところであり、治療の差し控えはできないのだという事実。治療ではない尊厳ある最期を希望するならば、医療機関ではない選択をしなければなりません。
穏やかな最期を迎えることが、ご本人も周りの方もどんなに満ち足りた時間を過ごすことになるのか、想像すらできない方も多いと思います。
「苦しくない尊厳ある最期」を経験した人々は、悲しみや大切な人を亡くした思い出だけではなく、リビング・ウイルがあったからこその安堵感を感じるとも話されます。
その幸福な気持ちを多くの方に知っていただけるよう「小さな灯台」はお役に立ちたいと願っています。