管を何本もつけてまで長生きしたくない
【遺族アンケート】
93歳父/看取った人・息子/福岡県/2023年回答
父には元気な時からよく聞かされ、父の思いは痛いほどわかります。
父は消防署で救急にも携わっていたこともあって「自分は身体に管をつけたまま生きたくない、家族に迷惑をかけたくない」と言っていました。私自身も父と同じ気持ちで会員になっています。
今回コロナが蔓延する中、父もかかってしまい、味覚障害を起こし美味しい物が食べられないので、この時点で父も覚悟を決めて医師にカードを見せたと思います。コロナは7日~10日を過ぎてその症状はだいぶ治まってきていたので、医師も本心では「点滴してくれたら良くなるのに」と思って、歯がゆい気持ちだったと聞いています。
味覚障害がなければ、今も元気に施設に居たと思います。私も弟ももう少し頑張ってほしかったと思うところです。父も自分が言ったことは絶対曲げない頑固者ですから、父の気持ちを尊重して。乱文になってしまい申し訳ありません。父が会員になって、いつも言っていたのは「身に管を何本もつけて、痛い思いをしてまで長生きしたくない」……私もそう思います。
【協会からのコメント】
「身に管を何本もつけて、痛い思いをしてまで長生きしたくない」……ご自身の経験からの希望を意思表示されていた事実が大事です。
「そこまでして長生きしたくない」との思いと、それを受け容れることができる医療者との出会いがあったからこそ実現できた「看取りのエピソード」です。
医療者もご家族も「もう少し何かできたのでは」と感じることもあったでしょう。ご本人がそれを望まなかっただけのことです。その個人の意思が尊重されたという「事実が大事」だと思います。
お父様のご冥福とご家族の健康をお祈りいたします。ご自愛ください。