父にあやまりながらの1カ月でしたが・・・。

遺族アンケート

突然の心肺停止(外出中)で、救急搬送され、家族が病院に到着した時には、たくさんの管につながれた父の姿がありました。医師に尊厳死について伝えましたが、管をはずすことは倫理的に難しいと伝えられ、約一ケ月植物状態が続きました。父が望んでいたこととは違う状態に、病院に行くたび葛藤の気持ちがありましたが、父にあやまりながら約一ケ月、最期を迎えるまでの準備をしておりました。寺院の住職ですので、引き継ぎの作業や連絡などたくさんの業務があり、残された家族にとっては死までの準備期間として、覚悟を決めるためのありがたい一ケ月ではありました。医師に口頭ではありますが伝えていたので、少しずつ薬を減らし、必要のない処置は行わない方向で、進みました。本人の意思を母は日頃から聞いていたので(細かい部分は聞いていませんでしたが)、治療の方向性を決める際、迷いは少なかったと思います。又、残された家族での話し合いも、父の気持ちがはっきりしていたので、スムーズだったと思います。一ケ月という期間だったので、良かったとは思いますが、これが長期的となると、また、考えさせられたかと思います。又、自宅で倒れた場合どうしただろうか、いざとなると分かりません。思うことをただ羅列し、申し訳ありません。尊厳死の希望をおおまかに伝えられても、残された家族は、やはり迷いがあるかと思います。この場合はこうする…、この治療はしない…など細かな話し合いをしなければ、なかなか難しい現状を感じました。

協会からのコメント

突然の外出先での心肺停止・救急搬送・沢山の管に繋がれた姿は、リビング・ウイルカードを携帯していたとしても、今の法制度下ではやむ負えない事態でした。それでも1カ月という与えられた期間に、ご本人の明確な尊厳死への希望は医師にもご家族にも十分に活かされています。もし、自宅で倒れたのであれば、救急車は呼ばずに治療はしないで見守る勇気は?具体的な対策は?と、細かな話し合いが必要なことを示唆してくださっています。大切なご指摘をありがとうございました。