ホスピスをキャンセルして「自宅で最期まで」

遺族アンケート

70歳夫/看取った人・妻/和歌山県/2024年回答

3年半、大学病院にて治療、後半には別のがん専門病院にて治験も受けましたが、令和5年6月中頃、全ての治療が終わりました。ホスピスも予約していましたが、本人の強い希望で「自宅で最後まで」と申しましたので、訪問医の先生が初めて来られた日に「どのように最後を迎えたいか」を話しました。先生も快く受け入れてくださり、私も尊厳死協会のカードを先生に見せて意思を伝えました。おかげで苦しむことなく、安心してその時を迎えました。ありがとうございました。

協会からのコメント

今、多くの人が「家で最期まで」と望みながら、病院での最期を余儀なくされています。「ホスピスを」と希望しても、地域によってはホスピスが全くなかったり、主要都市でも、その数が極端に不足していたりします。それでもリビング・ウイルの希望をかなえる道が「在宅看取り」にはあることを教えてくれる「看取りのエピソード」です。                 

がんとの闘い、その治療を終えられ、「不治かつ末期」※注)を迎えられた時、「ご本人が在宅での看取りを強く希望」すれば、リビング・ウイル受容訪問医師によって、その意思がかなうのだと教えてくださり、本当にありがとうございました。きっと多くの人の選択の力になることと思います。ご冥福をお祈りいたします。

編集部注)
不治かつ末期(=終末期)……「終末期」とは、「病状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能な限りの治療によっても病状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態」とする(日本老年医学会の定義 2012/01/28)