母が愛した海の見える施設で

遺族アンケート

104歳母/看取った人・娘/東京都/2024年回答

生まれ育った東京青山の地で90歳まで一人暮らしでしたが、何事も「変わること」への勇気と知識をもっていた母でした。幼い頃より夏は逗子の別荘で過ごし、10代でスカル※注)の選手もしており、海を愛しており、海の見える葉山の施設を選びました。看取り可の施設でした。10月末に居室で転倒、大腿骨骨折、病院に入院(年齢のリスクを考えて手術せず)、1か月後、施設に戻り、14年間の長きにお世話になったスタッフの皆さんからの手厚い介護、看護を受けて2週間を過ごし、最期を迎えることができました。

編集部注)
スカル……ローイング(オールを使ってボートを漕ぐ競技スポーツ)の種目の一つ。ローイングの種目は大きく分けて「スカル」と「スウィープ」の2つの種類があります。スカルはオールを右手と左手に1本ずつ合わせて2本持って漕ぎ、スウィープはオールを1人1本ずつ持って漕ぎます。

協会からのコメント

大腿骨骨折で手術を選択せず、慣れ親しんだ施設で穏やかに最期を迎えた「看取りのエピソード」です。

何事にも「変わること」への勇気と知識をもっておられたからこそ、104年という歴史を誇り高く生き抜いてこられたのだと拝察いたしました。高齢者の骨折という事態にも「手術をしない」という穏やかな選択もあるのだと知っていただける好例です。ご本人の望む形で皆に見守られた最期の時間が目に浮かぶようです。ご冥福をお祈りいたします。