実は多い家庭内での事故死
遺族アンケート
92歳父/看取った人・娘/千葉県/2024年回答
父が亡くなったのは自宅の風呂場で、第一発見者は母でした。その母も体調を崩して入院中で、リビング・ウイルをどのように医療関係者へ伝えたのか、今の時点では確認できなくなってしまいすみません。父が救急車で運ばれてから、外出していた私が到着するまで1時間以上ありましたが、私の到着を待っての死亡確認で、その時点で「本人の希望もありこれ以上の蘇生処置はナシ、ということで」と言われました。実際には母の発見時には、父はもう亡くなっていたような状況でしたので、カタチばかりの確認というようなものでした。
協会からのコメント
厚生労働省の「人口動態調査」や警察庁の「不慮の事故死」統計で、毎年入浴中の溺死者が1万人前後と報告されています。そのうち7割以上が65歳以上の高齢者です注)。
さらにその事故別の要因内訳を見ると、「転倒・転落・墜落」・「誤嚥による窒息」が半数以上、「溺死・溺水」では浴槽での事故が約8割を占めています。これらの背景には、加齢による身体能力や認知機能の低下(フレール)、病気や薬の影響などがあると考えられています。それこそ家庭内での思わぬ事故死は、「尊厳ある看取り」どころではなくなります。
よく「戦後の混乱の中で、死傷者を沢山見てきたから死ぬのは怖くない。リビング・ウイルの意思表示もした。しかし、死ぬまでの間の“老い”という期間があること、それがどういうものなのかがわからない」と良く聞きます。
日本人の美徳なのか、無理や我慢をすることが習慣化していたり、アンチエイジングがもてはやされたりする中で、老人扱いされたくない意識が先行しすぎていないでしょうか?
例えば、高齢期(75歳以上)になったら、事故防止や安全に配慮した思いきった住居環境にリフォームするとか…。また、家族の誰かが同居、世話してくれないかと頼るのではなく、資産は自分の介護サービス利用(介護保険制度内も私費サービスも)に使いきるといった発想。専門スタッフや地域やご縁のある他人の中に親密な関係を育てるなど、コミニュケーションスキルを駆使するとか…、大きな意識と行動変革は期待できないものでしょうか?
今後そうした後期高齢期の新たなライフステージに、五感に優しく刺激的な生活や空間環境づくりを実践しておられる方々のご投稿もいただけると幸いです。
編集部(注)【参考】消費者庁ウェブサイト https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_067/assets/consumer_safety_cms205_221227_02.pdf

