家族の思いの濃淡~「カリフォルニア・ドーターズ」ってご存知ですか?」

遺族アンケート

91歳父/看取った人・娘/神奈川県/2024年回答

私、長女は日常から父(両親)のリビング・ウイルの意思を聞いて知っていたが、弟(長男)は無関心で過ごしていたため、最期の時の処置についてもめた。医師に父のリビング・ウイルおよび日常的に介護している私の身上を理解してもらえた。その上で医師から弟に処置方法について十分に説明をしていただいた。家族間でもコミュニケーションの濃淡で、違いが出る。父の意思を私は尊重できた。お医者様にも感謝しています。

協会からのコメント

「家族間でもコミュニケーションの濃淡で、違いが出る」のは多くの家族の課題です。そのコミニュケーションギャップを見事に乗り越えられ「父の意思を私は尊重できた」という満足感を得られるまで頑張られたのは立派でしたね。

 このエピソードは、日頃ケアしていた人がご長女(実子)だったからこそ、長男との意見調整に医師の説明・説得が効果を得られたと思われる「看取りのエピソード」です。

ある看護師は、こんな臨床例も話してくださいました。

「病棟勤務時に同様の状況を経験したことを思い出します。日常的に介護をされていたお嫁さんから、患者さんが日頃から延命措置を希望していなかったと主治医に伝えてこられましたが、遠方の親族の方がすべての延命措置を希望され親族間でもめられた結果、延命措置を全て実施するに至りました。当時の主治医も私たちスタッフも主介護者のお嫁さんの意見がないがしろにされたことがいたたまれなかったです」

私たちは、こういう例を“カリフォルニア・ドーターズ”注)(カリフォルニアから来た娘症候群)と言い、恐らく臨床家(医師や看護師)の誰もが一度ならず経験しています。

日常的なケア(介護)をしている人が実子でない時、どんなに疎遠でケアも何もしていない家族でも実の長男、長女の意向のほうが優先される法的制度に今はなっているのです。制度の壁です。

このような実際を、皆さんはどう思われますか? おかしいと声をあげる時がきているように思います。

引き続き、皆様からの多様な経験談をお寄せください。お待ちしています。

編集部注)
カリフォルニア・ドーターズ(カリフォルニアから来た娘症候群)とは、遠方で暮らしていた患者家族が終末期になって現れ、治療方針をめぐって日常的に介護してきた家族と対立することを指す言葉で、もともとは米国で、「遠く離れたカリフォルニアに住む娘が、親の危篤を知って戻ってきて治療方針に強く介入する」という事例から生まれた医療・介護現場の俗称です。